Youth of Me ～みんなが私を強くした～ (ページ9)

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「今日は隣同士、似顔絵を描いてもらいます」

美術の時間そう美術教師が言うと、教室中の生徒が次々に声を上げた。このクラスの席順が男女列になっているためだろう。

「よろしくね、ホンビンくん」
HB「…はい」

相も変わらずホンビンの態度は素っ気ないが、Aにとってそれはもう気掛かりなことではない。

「まずは鉛筆で下書きをしていってください」

HB「……」
「う～ん…」

さらさらと進めていくホンビンとは打って変わって、まったく筆が進まないA。実のところ、アートセンスに欠けるのが彼女だ。

RV「………」
KE「できた」
RV 「はやっ！？」

３０分ほど経ったころ、周りはあともう１時限欲しいところを彼はその早さで終えた。

RV「ちょっと見せて！」
KE「あっちょっと」
RV「………」
KE「ウォンシク？」

彼が言葉を失うのも無理はない。そこにあったのが

RV「…なんだこれ？」

何なのかも解らないような、線だらけの絵だったのだから。

KE「…まあ、下書きだから」

にこっと微笑むジェファンに、これで色塗りに繋げられるのかこれはちゃんと俺になるのかと、ウォンシクは半信半疑な様だ。

HB「……」
「ホンビンくん」
HB「…なに」

目線は絵に向け描く手も止めず彼は応える。

「どのくらいできた？」

Aは未だ顔の輪郭が定まらないところだ。

HB「…さあ」
「そっか…ホンビンくん"絵みたいに"綺麗な顔してるからあたしなんか上手く描けなくて…」

HB「……絵みたいにってなんだよ」
「え？」
HB「…そんなの、人間味が無いってことじゃないか」
「！…ほっホンビンくん！」

そう言ってホンビンは立ち上がり教室の扉まで行くと

「ちょっとイホンビンくんどこに…」
HB「仕事あるんで帰ります」

と言って出て行ってしまった。そして丁度良く、授業終了をチャイムが報せる。

RV「おいどうしたんだよホンビンのやつ、…A？」
「なんか…酷いこと言っちゃったみたい…」
KE「酷いこと？」

彼女はそれが何かも分らないまま、謝罪の気持ちしかなかった。