Youth of Me ～みんなが私を強くした～ (ページ6)

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# 006.ravi ページ6

RV「まださびいな…」

４月だってのにまだ空気は冷たい。
…こんなことならここの話出すんじゃなかった。

RV「うっわ！？」

なんだよこの強風…せっかくセットした髪が乱れるだろうが！

しかしウォンシクが顔を上げると…

RV「………すげぇな」

これでもかと言うほど桜の花びらが風で舞い上がってた。

RV「……A」

桜を見てるとAと初めて会った日のことを、俺は思い出す…

中１のとき、親父が病死した…
それから母親は執拗に俺たちに手を挙げ始め酒やらギャンブルにも溺れ、家族は毎日着実に崩壊へと進んでた。

「何見てんだ？金も稼げねぇお前らがそんな顔していいと思ってんのか？」

飯もろくに与えてもらえず衰弱する一方で、俺は学校終わりに新聞配達のバイトを始めて妹のジウォンとこの家を出ていく決意を固めていた。

祖父母の家に逃げ込むという手もあったが、母方の両親に関して爺さんは居らず婆さんは母親と同じで俺らを忌み嫌ってたから同じ仕打ちを受けないとも限らない。
唯一真面な父方の両親は俺が小2のときじいちゃんが他界、ばあちゃんも親父が生きていた頃同じ病で亡くなってしまった。

だから他に身寄りもない…俺たちには逃げ場がなかった…

こつこつと貯めた金も結局、何度貯めて何度隠し場所を変えても見つかった。

「なんだいこの金は？ちゃんとお母さんに出さなきゃだめじゃないか」

卑しく笑うその顔が今でも脳裏を過り震える拳をずっと抑えていた。毎日打たれ蹴られ地獄のような日々だった。

そんな時…

RV「…ただいま」

この時間、最近母親は男に会いに行っている。だからジウォナが出迎えてくれるのが俺の楽しみだったんだが、今日はそれが無い。

少し不自然に思い、彼女の部屋へと脚を運んだ。