ｲﾗｽﾄにSSを捧げる企画��-1(gﾙ) ページ2
※相互さんに描いて頂いたイラストにSSをつけさせて頂くという企画で書いたSSです。青い鳥内ではイラスト付きでアップしておりますがこちらではSSのみとなります
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霧が深く立ち込めた森は深く、暗く、寒かった。雨より細かい水の粒が淡くランタンの火を遮って、頼りなく足元を照らす中をどうにか帰り道を探した。私の少し希望さえ覆っていく霧の深さに涙が浮かび、木の根元にへたり込みそうになったときだ。
ふと、地面がぬかるんだ土から靴音が響く固く硬質なものに変わった。霧はいつの間にか晴れている。でもさっきより暗い。ランタンの灯りを吸収するのっぺりとした闇。黒を何度も何度も重ね塗りしたような、
「迷い込んだんか」
闇に溶けて沈む声。ランタンが薄ぼんやりと拾い上げた闇の中、それまで息を潜めていた赤熱の火が混沌の空間にポツポツと色を足していった。
「ほォ、珍しい客人がおいでだな。可愛らしい人間のお嬢サン」
「っ…！」
現れた男の姿は、私の網膜に永劫消えない烙印を押すかのごとく焼き付いた。
白銀の翼を携え、天を穿たんとするねじれた太い角、漆黒を象ったような異形を主張する男の、その冒涜的で毒を含んだ美しさ。瞬きも呼吸も刻さえすべて、一瞬のうちに奪っていった男は椅子に肘をついて私の背後を遠く見やった。
「どうやって入ったンや？門はしっかり閉じたはずなンだが」
「ぁ……あ、……あく、ま…ッ」
「ン？俺か？フハッ！アﾞーせやな、しがない悪魔だゾ」
鋭い牙を覗かせて三日月に歪む嘲笑。悪魔と初めて対面し、悪魔の知識がない私でも男の言った"しがない"なんて、そんな惰弱な形容が当てはまらない畏怖の対象であることがすぐに分かった。
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妹。(プロフ) - あまぎさん» コメントの返信ありがとうございます！！青い鳥とは別人かなって思えるほどの文章力でびっくりしました！！私は実況界隈の夢は絶対占ツク載せないって決めてるので…すみません…。でもこんどじゃこさんの企画には参加するので是非そちらで拝見してみてください！ (2021年2月21日 18時) (
レス) id: f3089380c8 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - 妹。さん» コメントありがとうございます！こちらに載せた短編を長編候補として考えるのもアリですね！何か反響があればちょっと続き書いたりとか…思いついたものもちょこちょこ載せていきたいです！いつも青い鳥でお世話になっております！妹さん。の作品も楽しみにしてますね！ (2021年2月21日 16時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
妹。(プロフ) - 相変わらず最高ですね。何回みても最高です。是非長編への移行をお願いしたいですね。初コメやったぜ。 (2021年2月21日 12時) (レス) id: f3089380c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ | 作成日時：2021年2月21日 10時
