【約ネバ】鬼と人の混血種

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さてやって参りました勉強の時間。

シンと静まり返った部屋で、皆が同じヘッドフォンを付け机に向かっている。

……この時間は、嫌いだなぁ。

ちらりと皆を見渡せば画面を食い入るように見詰めていて、考査中でもこんな風景は見た事無かったなぁ。誰かしら伏せてたもん。

毎日こんな画面を見ていれば目が悪くなりそうだが、現在裸眼でも遠くの兄弟姉妹を発見できるから問題は無いだろう。

前のめりにはならず、背凭れに背を預けながらだるだると問題を解いていった。


「ノーマン、レイ、エマは満点ね。凄いわ、フルスコアよ」
「やったぁ！」


はえ〜流石としか言いようがない。

喜びはしゃぐエマ、つまらなさそうに頬杖を付くレイ、いつも通りの笑みを浮かべているノーマン。同い年として誇らしいわ。

外に遊びに出た皆を見送り、一人ママに近付く。ママは私に綺麗に微笑むと手を伸ばした。


「A、あなたも満点よ。流石ね」
『…ん』


優しく頭を撫でる彼女の手は心地よくて、毎回無意識のうちにすり寄ってしまう。

毎回。そう、毎回。

聞いて驚け！私もあの三人と同じ成績を残しているのだ！

ぶっちゃけ余裕、とまでは言わないけど考えればわかる問題だから。もしかして私って頭が良いのだろうか。

最後に私を抱きしめたママは「さあ、遊んでらっしゃい」と外へ送り出した。名残惜しいが、兄弟姉妹も大好きなのだ。

多分今日も私を待ってくれているであろう鬼ごっこに参加する為、駆け出した。

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