・ ページ31
ヤ「ホンマに、良かったんやろか…」
マ「あの尻尾の振り方、相当怒ってはるもんなぁ…」
ソファの上、ゴハンを食べ終えた二人は綺麗に座ってそんなことを話している。
ウチにはすばるのお皿しかなくて。
結局二人にはそれ一つで一緒に食べてもらった。
やっぱりお腹は空いてたんだろう。
初めて来たときのすばるの食い気もすごかったけど、
彼らはその倍ぐらい凄まじいものだった。
そっか…あれから、1年くらい経つのか。
あのころのすばるは捨てられたばっかりで、最初は私にも警戒して…
弱ってるのにゴハンすら食べてくれなかったっけ、
そんなことを考えてたら、すばるのことが気になっちゃって。
ちらりと見たすばるは、部屋の角に置いてある観葉植物の後ろにいて。
私たちに背を向けて尻尾を床に大きく叩きつけていた。
すばるにもさっきご飯を差し出してみたことを思い出す。
彼は見向きもしてくれなくて。
寂し、かった。
私自身は彼らのお風呂の準備とかもあって、
適当におにぎりを握って、手早く済ませた。
そしてすばるについては、そっとしておいた方がいいのかも、と私は彼をしばらく放っておくことにした。
ソファの下に座り、２匹を見上げる。
彼らは、何だろう、というように首を傾げた。
貴「ヤスくんとマルくんは、これからどうするの？
私は、ここに住んでもいいと思ってるんだけど…」
ヤ「でも…、」
チラリ、とヤスくんがすばるの方へ目を向けて、私とマル君もつられるようにそちらを向く。
彼はやっぱり、まだ背を向けたままだった。
貴「…すばるは、飼い猫じゃないよ」
ヤ「え？」
貴「あの子の口癖、ネコは自由なもんやから飼われるとかちゃうと思うねん、だからさ」
苦笑交じりに述べると、ヤスくんもマルくんも少し寂しそうな顔をした。
ヤ「そんなふうに思えるなんて、すごいなぁ」
マ「僕たちにはなかった考えですねぇ、」
そう呟いた２匹は顔を見合わせ、ソファを飛び下りた。
そして、すばるの元へ駆け寄って行ったのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
∞のん∞(プロフ) - 大谷きちゅパンださん» 有難うございます、!!そんな事を言っていただけるなんて嬉しい限りです（*´Д｀） すばくらさん、了解しました!!2の方で書かせていただきますが、お時間いただくかもです汗 (2014年2月25日 1時) (
レス) id: ec94d5f2ba (このIDを非表示/違反報告)
大谷きちゅパンだ(プロフ) - むっちゃおもろいですっ！最後の村上さんのやつ、泣いてしまいました…(笑)あと、すばくらの、なんでもいいんでみたいですっ！ (2014年2月24日 23時) (携帯から) (レス) id: 587753c397 (このIDを非表示/違反報告)
∞のん∞(プロフ) - ひなくんさん» リクエスト有難うございますすすすすs(((← 了解です!! 移行してからになりますが、受けさせて頂きます!!（≧∇≦） (2014年1月4日 4時) (レス) id: 73b4a23952 (このIDを非表示/違反報告)
ひなくん(プロフ) - 村上さんのちょっとＳなのが見たいです。リクです。お願いします。 (2014年1月4日 1時) (レス) id: 3a5c223b38 (このIDを非表示/違反報告)
∞のん∞(プロフ) - むんさん» リクエストありがとうございますっ(´Д` ) 喜んで書かせていただきますね！！ (2013年11月8日 23時) (レス) id: 73b4a23952 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りゅのん | 作成日時：2013年6月18日 4時
