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envy【三ツ谷】 ページ10

■設定
*A A
*27歳/OL
*三ツ谷隆とは中学の同級生
*三ツ谷隆と現在同棲中

※平和な世界線でのお話。
※コミックス22巻に出てきた12年後の職業ネタバレ含みますのでご注意ください



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「…なぁ、柚葉。ちょっと聞きてぇことがあんだけど」


作業をしていた手を止めてガキの頃から面倒を見ていた弟分【柴 八戒】の姉である柚葉に声を掛けた。彼女は売れっ子モデルとなった八戒のマネージャーをやっていて、忙しそうに携帯電話を片手にスケジュール帳に何かを書き込んでいたが、オレに声をかけられると一瞬だけオレに視線を向けて「何?」とだけ言ってすぐに戻した。



「……同窓会って、行ったりするか?」

「え?なんて?」

「……だから同窓会って行ったことある?」

「……何、突然。どうしたの?」

「いや、学生の頃の同窓会って行ったことあるかなって」


オレの突拍子もない質問に、ぽかんとした表情を向けた彼女。少し考えるようにしてから口を開いた。


「一応あるけど…ない人とかいるの?」

「…オレはねーよ。東卍の奴らとはしょっちゅう会ってるから同窓会もクソもねぇし、学生時代はあいつら以外に絡んでこなかったし」

「あーアンタたちはそうだよね。で、同窓会がどうしたって?」

「あ、だから同窓会行った時って……なんだ、あのさ、ほら、んー」


問いかけた割には肝心の聞きたいことを中々言い出せないオレは柄にもなくモジモジしてしまう。そんな様子を見た彼女はとてつもなく気持ち悪そうな顔をした。


「…三ツ谷、アンタなんか悪いものでも食べたの?」

「……記憶が正しければ食ってねぇ」

「じゃあどうしたの?今日のアンタなんかおかしいよ?何が聞きたいの?同窓会が何だって?」



捲し立てるように柚葉から連続のクエスチョンを食らったオレは情けないと思いつつも勇気を振り絞って口にした。


「…同窓会で、男女仲が深まることってあるのかな」

「は?どういう意味?」

「だから!同窓会で久々に会った同級生がなんか盛り上がって、いい感じになったり告ったり告られたりとかそういうのあるのかなって…」



何言ってんだオレと思いながら顔に手を当てた。くだらねぇ質問を兄妹(柚葉)に投げかけて、情けなくて段々語尾が小さくなった。けれどオレの小さくなったその声は彼女の耳にはしっかり届いたようで、一瞬考えているかのような素振りをした後盛大に吹き出した。

…→←…



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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年8月10日 23時

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