Short Dream【東京卍リベンジャーズ】 (ページ3)

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それから3日が過ぎた。
どんなに遅刻しても必ず給食の時間には登校していた彼がこの3日間一度も姿を現さなかった。
心配になって「体調悪いの？」や「明日は来れる？」等一応気遣ったメールを送った。今日に関しては「佐野くん…会いたいです」と素直な気持ちをメールに綴った。けれど未だに佐野くん専用の受信ボックスに新着のメールは届かなかった。

相当怒ってる。どうしよう…。

彼の欠席の原因は私に会いたくないからだということは明確だ。自業自得だけどその事実に若干落ち込んでしまう。

佐野くんはいい意味でも悪い意味でも超がつくほどの有名人だ。誰もが認める不良の彼ではあるけれど、不用意に暴れたりはしないし、基本的に学校では寝てるか給食食べてるかのどちらかだから、不良だからと言って煙たがられることはなかった。むしろ基本的にとにかく優しい性格で、整ったお顔の持ち主である彼は男女問わず注目の的でありモテていた。
それはそれはとっても。

そんなカリスマが3日間も休んだと言う事実に学校中の佐野隠れファンは落ち込みその標的は私だった。「Aさんとなんかあったんじゃないの？」と有る事無い事コソコソ陰で言われるし、1年生らしき子達には「あれ、マイキー先輩の元カノじゃん？」と過去の女扱いをされる始末。佐野くんの相棒である龍宮寺くんは笑いながら「気にすんな。マイキーは子供だから、ちょっと拗ねてるだけだ」なんてフォローしてくれたけど、友人が言うようにキス如きでごちゃごちゃ言う私を面倒に思い嫌いになったのかもしれないと、急に不安でいっぱいになる。

私がキスさえ拒まなければ、こんなことにはならなかった。それなら羞恥心などさっさと捨ててキスしてしまえばよいのでは。そんな考えが頭の中を埋め尽くした。けれど冷静に考えてみてそれが出来ないからこうなってしまったんじゃないかとまた頭を抱えざる終えなかった。

明日は金曜日で土日になったら彼には会えない。いつもだったら休日のどちらかは必ずデートをしていたけど、この状況では絶対なしだ。
そしたら次佐野くんに会えるのはいつなんだろう？
段々とキスがどうだとか、喧嘩してしまったことがどうだとか、そんなことよりも好きな人に会えないということが寂しくて辛くなっていく。

早く会いたい。
早く佐野くんに会いたかった。

自然に指は佐野くん宛のメールを作り始めた。
返ってこないことを予測して自嘲気味に笑い、震える手で送信ボタンを押した。