Short Sleeper (ページ10)

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続ページ10

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『る、瑠姫くん…！』

「あ……ごめん」

音楽室からかなり離れたところで、名前を呼ぶと我に返ったようで、その場に立ち止まった。

手は繋がれたまま。

「………さっきの言葉、あの場から逃れる為に言ったわけじゃないから」

『…どういうこと？』

「だから、俺本気なの。Aちゃんに」

『え、』

恋愛経験は豊富じゃないけど、私だってそこまで天然じゃない。その言葉の意味くらい理解できる。

「付き合ってよ、俺と。今じゃなくてもいい、いつまでも待ってる」

『そ、んなこと言われても』

「…A、上向いて？」

初めて呼び捨てで呼ばれてドキッとした。言われた通り顔を上げると、目の前には瑠姫くんの整った顔。

この世のものとは思えない美しさに、思わず息を飲む。

瑠姫くんはわたしの両頬に手を添えて、

「俺は絶対浮気しないし、泣かせることは…あるかもしれないけど、世界一幸せにする自信あるから」

これから、覚悟しててね？と言って微笑んだ。

自信のある表情に、胸がとくんと高鳴る。

どうしよう好きみたい

夢かと思って頬をつねったら

瑠姫くんに笑われました

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