きっと、ずっと 〈大平祥生〉 ページ44
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大好きな彼と一緒に迎える朝ほど、幸せなものはないと思ってる。
薄ら目を開けると、大好きな彼が目の前にいる。
私今きっと、世界中の誰よりも幸せ。
寝ている祥生の頬を指でツンツンすると、ちょっとだけ眉間にシワを寄せた。
これが可愛くてたまらない。朝からニヤニヤしてしまう。
祥生を起こさないようにそっとベッドから抜け出した。
思ってたより早めに起きちゃったな。
洗面台に置いてある二本の歯ブラシ。
もう見慣れたはずなのに、見る度にドキッとしてしまう。
昨日の事を思い出しながら、ぼーっと歯を磨いていると、腰に回された腕。
すぐに背中に感じる重みと温もり。
『ひょへ？おあお(しょせ？おはよ)』
「んー…おはよ……」
鏡越しに見える祥生はまだ目がしょぼしょぼしていて、眠そうだった。
軽く頭を撫でて、歯ブラシを手渡す。
祥生は今日ダンスレッスンが入っている為、あと一時間程で家を出なければならない。
簡単に朝食を済ませて、身支度をする祥生。
何もしなくてもかっこいいけど、身なりを整えると更にかっこよくなる。
『祥生、今日もかっこいいね』
「Aから言われるかっこいいが一番嬉しいわ」
『毎日かっこいいよ、かっこいいが更新されてく』
「うわ〜照れるなぁ」
目がなくなるくらい、屈託なく笑う笑顔に見惚れる。
私いまでもこんなに好きなのに、これからどうなっちゃうんだろう。
「じゃ行ってくる」
玄関まで見送りに来たはいいが、いざ行くとなると寂しくなってしまう。
祥生といるとわがままになっちゃって、ダメだなぁ。
「何、寂しいん？」
『……うん、』
祥生は ははっ、と笑って私の頭をぽんぽんと撫でた。
『…行ってらっしゃいのちゅーは？』
「なにーもう、しゃーないなあ」
ちゅっ、とおでこにキスをする彼。
求めていた場所じゃなくて、ムッとしてしまう。
『…そこじゃないー』
「はいはい」
今度はちゃんと口付けをして、「行ってきます」と笑顔で家を出た。
きっと、ずっと
「Aー、ただいま…つかれた…」
『おかえり祥生、お疲れさま』
「ん…Aの顔見るだけで一瞬で元気になるわ」
『ふふ、私もだよ』
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作者名：すい | 作成日時：2020年4月28日 4時
