Short Sleeper (ページ26)

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あなたなしでは〈安藤誠明〉ページ26

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下腹部に鈍痛が走る。痛いなんてもんじゃない。

立つのもしんどい、なんなら息をするのもしんどい。先月が軽かったせいか、今月は重いらしい。

気分は悪いし、吐き気するし、動けないし。さっき飲んだ痛み止めは、効いてるんだか効いてないんだかだし。

『あー…しぬ…』

一人暮らしの私は、一人で苦しむことしか出来ない。

あーもう、こんな時誰かが傍にいてくれたらなあ。

うとうとしていると、突然鳴った携帯。

『はい』

「A？よかった、出て」

『………ともくん？』

「連絡しても返事ないけん、心配しとったんよ」

『ごめん、うとうとしてた…』

「事件とかじゃなくて安心した…」

『ん…朝から具合悪くて…』

「え大丈夫？？」

『女の子の日だから、とりあえず寝てれば治ると思う…』

「…そっか、帰り寄ろうか？」

『そうしてくれるとありがたいけど…仕事終わりに別の仕事させちゃってごめんね…』

「そんなん気にせんで。今は無理せず寝てな？」

彼氏のともくんは、優しい。

私が頼んだら来てくれるし、全力で愛してくれているのが分かる。私にはもったいないくらいの彼氏。

少し時間が経った頃、鍵が開けられる音がした。

あぁ、ともくんだ…こういう時に合鍵渡しておいて良かったなぁと思う。

「Aー大丈夫ー？」

『ともくん…』

「ようがんばったね、寝とっていいよ」

『ん…ありがとう』

私の頭を優しく撫でてくれる。そして、そっと手を繋いでくれた。

優しくて大きい手に安心して、私は眠りについた。

「おやすみ、A」

あなたなしでは

～安藤誠明side～

俺が着いてすぐに、Aは眠った。

安心したような寝顔に俺も安心する。

「…早く楽になりますよーに」

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