赤巻紙 青巻紙 黄巻紙 ページ38
side Black
左手に温もりを感じ、心までほんのり温かくなる。
いつも俺にたくさんの優しさをくれる、大好きな樹の手。
ちらっと見やると何食わぬ顔で運転席の�眞呂範辰靴討い襦�
俺らが付き合ってる事は一応秘密にしているのだから、手をつないでいることはバレちゃまずい。
……今更か。こいつ普段から人前でも平気で抱きついてきたりするしな。
助手席のジェシーが後ろを振り返る。
「着いたらまずどこ行く？」
「手前からぐるっと時計回りでいいんじゃない？」
昨夜携帯で見た地方の遊園地の園内図を頭の中に浮かべながら答える。
平日だし、ほぼ待ち時間無しで乗れるアトラクションばかりだろう。
京本と慎太郎は仕事で予定が合わなかったため、図らずもダブルデートのようになった。
�眞呂肇献Д掘爾膨樟槓垢い燭錣韻任呂覆い韻鼻�彼らも付き合ってるんじゃないかなと思う。多分だけど。
「くれぐれも目立つ行動はするなよ？騒がれたら帰るからな？おとなしくできる？」
釘を刺す�眞蓮�
「だーいじょーぶだって、なあ？」
「おう、朝飯前だよ」
なぜか自信満々に胸を張るジェシーと樹を見て�眞呂�笑う。
「ほんとかよ、ははっ。ジェシー、朝飯前って意味わかる？」
「わかるよそれくらい。It's a piece of cakeってことでしょ？」
「いや、英語で言われても俺らわかんないから」
「ジェシー大丈夫、合ってる合ってる」
「お前もだよ、北斗？テンション上がって騒ぐなよ？」
「あっ、俺もなの？俺は騒がないよ、普段からあんまり気付かれないし」
遊園地行く前に騒ぐなと念を押されるなんて俺らは小学生か。
そう思うと、ちょっと童心に帰った気分になってかえってわくわくしてきた。
「いぇーい、とうちゃーく！！」
「Yeah!!」
「Woohoo!!」
駐車場で車から降り、小声で盛り上がる。
「お前らな……ま、いいか」
呆れたのか諦めたのか�眞呂�呟く。
検温と消毒を済ませチケットを購入し、いざ！入園！
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作者名：りんご | 作成日時：2022年2月21日 9時
