COLORS (ページ25)

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グループの仕事が立て込む師走。
ほぼ毎日のようにメンバーと顔を合わせる。

あの日から俺はなるべく北斗のことを考えないようにしていた。
それでもやっぱり気付けば目で追ってしまっているんだ。
そして北斗からも。相も変わらず勘違いしてしまいそうになるほどの、甘い視線。

一方で、北斗と慎太郎はどう見ても付き合ってるようには見えなかった。
きっと、誰にも言わず秘密の関係ってやつなんだろう。
北斗にどんな人と付き合ってるか聞いたときはぐらかされたもんな。

グループの仕事で撮影の日。
俺の番が終わって楽屋へ戻ると、慎太郎が樹に愚痴を言っていた。

「クリスマス一瞬でも会えないの？って喧嘩になっちゃってさあ」
「あー……お前が無理すれば会えなくもないんじゃね？」
「いや、即寝ちゃう自信しかないわ」

……え？違和感。

グループみんなでイヴの正午から24時間ラジオの生放送の仕事の予定だ。
イヴは仕事だし、クリスマスだって昼過ぎに帰ってすぐ寝なきゃ辛い。
しかも、北斗はクリスマスの深夜、樹とまたラジオの生放送だ。
なんか、変。

「付き合うときに仕事のことちゃんと説明したんだけどなあ……」
とへこんでる慎太郎。

思いきって、聞いてみる。
「慎太郎って誰と付き合ってるの？」
「あ、ジェシー。俺ちょっと前に彼女出来たんだ」
「えっ、北斗は？」
「え？北斗？」
「あっ、いや……」

しまった、思わず言っちゃった。

慎太郎が不思議そうな顔をしたあと、あっ、と目を見開く。
「ジェシーやっぱり前、俺と北斗の会話聞いてたんでしょ？」
「うっ……一瞬だけ」
「ちゃんと全部聞いてれば良かったのに。ね、ね、ジェシーって北斗のこと本気で好きなの？」
「慎太郎、やめとけって。回りが色々突っ込むの良くないって」

樹が慎太郎をとがめる。

「だってさあ……あ、北斗」
「なに？どうかした？」
北斗が楽屋へ戻ってきた。

「樹、そろそろ俺らの番じゃない？行こっ」
「北斗、頑張れ」
樹が北斗の肩をぽんぽんっとして慎太郎と出て行った。