イロイロ短編集♪7（リク消化最優先！）

BLEACH　市丸ギン（こーりん★さんリク・嫉妬） ページ4

「ねーえー、なあんで黙ってるん？」


背中を互いに預け合う姿勢で、２人の男女が岩の上に座っていた


「ねーえー、ギーンー？」


女が男の名を呼ぶが、男は無視を決め込むようだ

ああ、何か怒ってるなあ、と長年の付き合いから察した女は、思い当たる出来事がなかったかどうか、記憶を探り始める

趣味のルービックキューブを弄る手は止めないまま、数分前から数日前まで遡って、頭の中で検索をかけるが、残念なことにヒットしない

女―――美月Aは首をひねった

己は特に鈍感でもなければ、天然でもない

背中の男―――市丸ギンと恋仲になってからは、意外と嫉妬深い彼の性格をきちんと把握した上で、清く正しいお付き合いをしている、はず


「私、何かした?」


とりあえず聞いてみる

返事はない


「うーん…」


勘がさえているAの脳内では、あーでもない、こーでもない、と様々な推測や仮説が浮かんでは否定されている

もちろん、その間もルービックキューブに目をやったままだ

かしゃんかしゃん、と色が揃い始める


「あー、えー…。ねーえー、ギンー。なぁに怒ってんのー」


少しだけ体重を後ろにのせてみるが、市丸の身体はぴくりとも動かない

おお、これが男と女の差…。などと変なところで感動していると


「…Aは」


急に声がかかった


「私は?」


言葉の続きを促してやると、市丸は重い口を開き、ぽつぽつと言葉を吐きだし始めた


「Aは、悪くない」

「ただ、こっちが勝手に…」

「僕はAがほかの人と話してるん見ると、ムッてしてまうのに」

「…Aは、僕が誰と話してても、誰と二人きりでいても…なんも、思ってへん、って」


ちょっと、なんか、嫉妬というか…。


柄にもなくうじうじとしている市丸の言葉に、Aは首を傾げ―――あ、と思い当たった


そういえば、市丸が可愛らしい女の子と二人きりで、隊室にこもっていたなあ、と

新入りだったはずで、隊長への挨拶だった気がするが


はて


「どこに嫉妬する要素が…?」


つまり、市丸は、Aに嫉妬してほしかったのだろう

それが無かったから、こうもうじうじぼそぼそと


「っ、いや、だって!! 僕ばっか嫉妬してるやん!!」

「それはギンの心が狭いとか、そういうのでは」

「そういう問題…かも、しれんけど…。じゃなくて! そんなん、僕ばっかAのこと好きみたいやん」


A、本当に僕のこと好きなん?

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