イロイロ短編集♪6（リク消化最優先！） (ページ49)

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最近よく見かけるネタを。ページ49

私は、今、空にいる。

いや、何を言っているかわからないとは思うけれど、空にいるんだ。

何故こうなったのか、と少し前を思い返してみる。

いつもと同じように、近侍が起こしに来る前に起きて、布団を片付けて、ストレッチをして、近侍と共に厨で朝食当番の子たちの手伝いをして。みんなを起こして、ご飯を食べて、それからそれから。戦場に行く彼らを見送って、それからそれからそれから?

あ、そうだ。布団を干そうと思って庭に出て、なぜか地面に足がつかなくて落下してるんだわ。

そう、今、私は落下している。

やべえ。

「審神者って命の危険にさらされる職業だとは聞いていたけれど、まさか空から落下して死亡とか、笑えないです」

さあどうしよう。

私は空は飛べん。

ただ神職系の家系に生まれた、父親から剣道を、母親から合気道を教わっただけの、可愛い妹が歴史修正主義者に利用されそうになってたからっていう理由で審神者をやっている、ただの若者です。

とか考えてたら屋根にぶつかりそうになって―――。

「―――ッこ、の!」

とっさに札を取り出して身を守るための結界を張った。

屋根と結界、勝ったのは結界でした。

つまり。

「ぬああああああああああぁぁぁぁ!!」

屋根をぶち破って私は、地面に激突した。

いや、結界が衝撃を緩めてくれたけど。

あと、なんか踏んだ。

「―――ぐ、ううぅ…」

周りから言葉が聞こえるけれど、衝撃のせいで思考がまとまらない。

ていうか踏んだ。何か絶対踏んだ。やばい。

恐る恐る下を向くと、そこには、脳みそ丸出しの筋肉ムキムキの方が。

「だ、だ…。大丈夫ですか!! わ、私のせいですよね、すみません!! もしもし、あの、すみません、今どきますから!!」

慌てて飛びのき、身体を揺さぶる。が、しかし、反応がない。

「し、死んでる…?」

なんてこった。

「こ」

「こんのすけええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

法令違反とかシャレにならん。

てか待ってここどこ。現世? 現世なの?

ともかく、私はあらんかぎりの声を上げて、管狐の名前を呼んだ。

「何やってんですかああぁぁぁぁぁぁ!!」

「ああぁぁるぅぅぅじいいぃぃぃ!!」

次の瞬間、空から狐と初期刀の声が聞こえ、筋肉ムキムキの人が追い打ちをかけられることを、私はまだ知らない。

知らないままがよかったなあ。