イロイロ短編集♪6（リク消化最優先！） (ページ34)

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最近よくあるネタかと思えば２ページ34

「先輩、あの」

放課後の委員会が終わって、さて帰ろうとしたとき、呼び止められた

振り返ると、やはりと言うべきか、後輩が立っていた

「どうかしたの」

「先輩、やっぱり先輩が辞めるなんておかしいですよ」

後輩の強い言葉には、怒りが滲んでいた

その怒りの矛先が何に対するかなんて、分かり切っている

「やめたんじゃないよ。引退したんだよ」

「時期的には引退と言えますけれど、あれは退部です。どうして先輩は退くんですか? 先輩は少しも悪くないじゃないですか」

悪いのは全部、と徐々に大きくなってきたところで、後輩の肩に手を置く

「あなたが怒る事じゃない」

「怒ります!!」

拳を握りしめて私を挑むように見つめる両目には、薄く涙がたまっていた

なんていい子なのだろう

１年と少しだけの先輩後輩関係で、ここまで私を慕ってくれるなんて

「先輩は自分の事では怒らない。だから私が怒ります。先輩がもう戻ってこないということは理解しています。けれど、あのままでいいんですか! あの場所は、あの時のまま時間が止まっています。先輩が悪者、という偽の事実が定着しているんです!!」

本当に優秀な後輩だ

ここまで憤りを感じながらも、きちんと仕事をやっているのだから

「ありがとう」

私が部活を一足先に引退したのは、部活内での揉め事を回避するためだ

私と、今目の前にいる子と、そしてもう一人

１年生の、私の後輩は、仕事を積極的にしてくれなかった

それでもまだ１年生、優しく教えていってあげようと思っていた

『先輩、あの子、ちょっと気を付けた方がいいかもしれませんよ』

後輩に忠告を受けたけれど、少し難しい性格なのだろうと、そう考えていた

『ねえ、Aちゃん』

『どうかしたの』

部活終わりに、主将から声をかけられたとき、確かに聞こえた

積み上げてきたものが、ガラガラと崩れていく音

『１年の後輩の子と、仲が悪いの?』

ガラガラガラ