イロイロ短編集♪6（リク消化最優先！）

ハイキュー!!　赤葦京治２ ページ30

今日は練習試合のため、他府県に来ていた

新築の体育館で、相手チームたちと顔合わせをしてストレッチ

試合はローテーション式のため、1チームは暇な時間ができる

その時間は水分補給に当てたり、作戦をたてたり、柔軟体操をしたり


午後の試合を2つして、休憩時間に入った

他チームの試合をぼんやり見ていると、壁にもたれかかっていた奴がそわそわと入口付近をしきりに気にしていた


「どーした?」

「え、あ…。いえ、まあ」


歯切れの悪い返答をするから、気になって、傍によってぐいぐい聞いてみた


「なになに、誰か来るのか?」

「あー…。そうですね、来ますね。時間的にそろそろかと」

「ほお。んで、誰だ? もしかして、恋人、とか?」


なーんてな、と笑った

こいつに恋人がいるなんて話は聞いたことない

このチームを引っ張っていく大エースを支える、2年生にして副キャプテンのセッター

そして、うちは一応強豪校で、こいつはレギュラー

恋人に構う余裕は、ないんじゃないかと、そう思う

だから、中学時代の友達とか、チームメイトとか、もしかしたら親戚とか

そんなものだと思った


「…はい、そうです」


なのに


「…え?」


緩みそうになる頬を、必死で隠そうと奮闘する表情筋を見て、あ、と思った


コレ、ガチなやつだ


色々と聞きたいことがあるのに、何を言えばいいのか、ちょっと予想外すぎて

頭の中をぐるぐるとボールが回ったりしていると、体育館の扉が開いた


「失礼します」


そちらを見ると、制服に身を包んだ可愛らしい子が顔をのぞかせていた

彼女はぐるりと体育館を見渡し、こっちを見て、笑う


「―――京くん」

「―――A」


あいつが嬉しそうに笑って、彼女のいるところまで駆け寄っていく

監督がそっちに気づいて、2人そろって頭を下げて、監督は笑って手を振っていた

入口で楽しそうに会話をする2人は、それはとても幸せそうで


「なーなー、あれ、誰だ? なー、赤葦――――」

「―――木兎、馬に蹴られるぞ」


赤葦馬飼ってんの!?

ぎゃーぎゃー騒がしい声が聞こえるが、放っておく

後輩の、彼女を見つめる表情を見て、やっぱり恋人を大切にするタイプだったな、と、1人納得してしまった



その後、試合が終わって後片付けのときに赤葦に恋人だと紹介され、ついでに3年付き合ってることを教えられた

ちなみに、差し入れはめちゃくちゃ美味しかったし、後片付け手伝ってくれたし、とても良い子でした

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