イロイロ短編集♪6（リク消化最優先！） (ページ25)

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BLEACH　藍染ページ25

男が１人、牢獄の中を睨みつけている

否、睨みつけているというよりは、目を凝らしているといった方が正しいだろうか

どれだけ見つめていても、広がる闇に目が慣れることはなく、その中に何があるのかわからない

じゃらり

金属のこすれる音が、響いた

その音を耳にして、男は安堵の微笑みを見せる

確かに牢獄の中に、何かがいる、という証明がなされた

「こぉんなところまで、よぉ来ましたねぇ、ふくたいちょぉさまぁ」

嘲るような声が闇から投げかけられた

男は喉の奥で笑う

記憶の中の人物と、まったく変わっていなかったからだ

「どうしても君が欲しくてね」

「わぁ、ぜぇんぜん嬉しくなぁい」

「そういうと思った」

「…相変わらず揶揄いがいのない人だなぁ。どうやってここに来たんですぅ?」

見張りがいたはずですがぁ、と声が問いかける

「私の斬魄刀の能力、忘れてはいないだろう」

そう答えてやれば、声の主はしばらく考えるかのように沈黙した後、ああぁ、と言葉を漏らした

「そぉいえばぁ、はあぁ、そうでしたねぇ」

かんぜんさいみぃん、と愉快そうに笑い声が混じる

「それでぇ、わたしをここから出してぇ、何をさせるんですかぁ、藍染副隊長さまぁ」

「君をここから出したいという理由じゃご不満かな、美月A三席」

じゃらり、と鎖が笑う

「部下殺しで捕まった罪人ですよぉ」

ケラケラと愉しそうに答え、藍染もくすくすと笑う

「私は裏切者だよ」

「へぇ、裏切者」

「驚かないね」

「なにかやらかすと思ってましたしぃ」

「それも君が欲しい要因の１つだよ」

暗闇の向こうの人物が、喉の奥で笑った

「ここでの生活も結構気に入ってるんですよねぇ」

ケタケタと壊れた様に笑いながらも、鎖をじゃらじゃらと鳴らしながら歩く

ようやく藍染の視界に写った相手は、投獄されたときと全く変わっていなかった

「髪切りましたぁ?」

「まあね」

Aはにっこりと微笑み、藍染から刀を奪い取る

鎖と共に鉄格子を断ち切り、自由になった四肢をぶらぶらとさせ、はぁぁ、と長い溜息を１つ

「なんだ、ついてきてくれるんじゃないか」

藍染が刀を鞘にしまいながら尋ねると、Aは嗤った

「ふくたいちょぉの命令ですしねぇ」

―――緊急連絡

特別牢獄にて脱獄者あり

見つけ次第直ちに処刑せよ

脱獄者は元護廷十三隊五番隊三席美月A

実力は隊長に匹敵する

各自十分に注意して―――