検索窓
今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:31,725 hit

黒子のバスケ 花宮真(悪童(♀)さんリク・切ない系) ページ24

「あのねまこちゃん」


少年の後ろを、少女が小走りでついていく


「心配だから、やっぱり」


少女の声に反応を示さず、少年はただ足を進める

歩幅も速度も、彼女に合わせようとはしない

それでも一生懸命ついていく少女は、まるで主人に懐く小動物のようで


「バスケ部のマネージャー、やろうかなぁって」


その言葉を聞いた瞬間、少年はピタリと立ち止まった

少女はつられて足を止め、少年を待つ


「あのさ」


ゆっくりと振り向く少年は、呆れたような顔をしていた

少女の背景は美しい夕焼け空

光が反射して、少年は少女の表情をまともに見ることはできなかった


「お前がいても邪魔なだけ。心配とか、必要ない。いい加減うぜぇんだけど」


その時、少女がどんな表情をしたのか、少年にはわからなかった

ただ顔色を変えたのは確かで、けれど特に気にせずに少年は歩き始めた


「そうだね、まこちゃんがそう言うなら」


先ほどと同じ調子で、少女は少年のあとをついていく







「花宮、今日機嫌悪くねぇ?」


誰かが言った

そういえば、確かに

その場にいた全員が感じていたこと


「何かあったのか?」

「さあ」


レギュラーメンバーの数メートル先を一人で歩く、彼らの話題の中心人物は、携帯画面をにらみつけている

ウィンターカップが終わって、数週間

進級を控えた中でも、相変わらず部活動は活発に行われている


「誰か聞いて来いよ」

「じゃあザキ、行ってきて」

「なんでだよ!」

「骨は拾ってやるから」

「いやいや、死ぬの前提かよ」


馬鹿騒ぎをするチームメイトの声は、右から左へと流れていく


[まこちゃん、試合残念だったね]


絵文字も顔文字もない、女子高校生にしては質素なメール

それでも伝えたいことは、しっかりと伝わったようで


『あのねまこちゃん、バスケ、ちゃんとしようよ。まこちゃん強いのに…』

『うっせぇよ』

『でも』

『嫌なら見に来なきゃいいだろう。お前がいようがいまいが、関係ねぇんだから』

『…そうだね。まこちゃんが、そういうなら』


あの時、Aはあきらめたのだろう

だから試合を見に来ない

話しかけることはなくなった


本音じゃなかった、と後悔を口にしてももう遅い

あれだけ大きく出て、そして負けた

彼女は笑っているのだろうか


どうせ格好悪いのは今更だ

そんなこと気にはしない


だから


白い息を一つ吐いて、花宮は返信を打ち始めた

[マネージャー募集]

BLEACH 藍染→←?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
設定タグ:短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪音(プロフ) - リクエストで文ストの中也と恋愛物 お願いします (2017年7月29日 22時) (レス) id: 0f1d2340a4 (このIDを非表示/違反報告)
音桜(隠居中)(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» リクエストありがとうございます。少々お待ちください。 (2017年7月3日 23時) (レス) id: 7e9f38db8e (このIDを非表示/違反報告)
音桜(隠居中)(プロフ) - グラシデアさん» かしこまりました。消化全然できてませんが、細々と更新してるので、少しお待ちいただけると嬉しいです。 (2017年7月3日 23時) (レス) id: 7e9f38db8e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ナルトのリクで夢主が再不斬の部下お願いします (2017年7月2日 18時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
グラシデア(プロフ) - はい!人間だった頃のせんせーの話でお願いします! (2017年7月1日 11時) (レス) id: a4804d91b1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:音桜 | 作成日時:2016年2月18日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。