イロイロ短編集♪6（リク消化最優先！） (ページ21)

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文豪ストレイドッグスページ21

「お初にお目にかかります、太宰治様。私はA。ポートマフィアが幹部、中原中也様より願われ、太宰様と心中する為に参りました。黄泉の国への旅路が終わるまで、どうぞ末永くよろしくお願い申し上げます」

礼儀正しく頭を下げるその女性に、探偵社に集まっていた面々は言葉をなくし――――

「はあああああぁぁぁぁ!!?」

――――絶叫した。

「え、ちょ…マフィアの人!?」

「はい。主な仕事は情報収集及び武具開発です」

わいわいぎゃあぎゃあ騒ぎ立てる探偵社の面々だが、中島を含めた数名は鋭い視線をAに送っている

一体何をしに来たのか

「…Aさん」

「ああ泉鏡花様。ご機嫌いかがですか。年頃の少女らしくお化粧やお買い物に楽しみを感じてくださいね。せっかくマフィアから抜けることができたのですから」

「はい。ありがとうございます」

「鏡花ちゃん仲良しなの? ってかなんで敬語敬称なの?」

「私の癖です」

「Aさんはなんか、不思議な人…」

和やかな雰囲気になりつつある中、太宰が真剣なまなざしを向ける

「太宰、やはりあの女は…」

「うん、国木田君、彼女は…」

「なんて美しいんだ!!」

「…は?」

Aの両手を握り、期待で輝く瞳で真正面から顔を見つめる

「まるで百合の花の如き奥ゆかしさ!! 薔薇の如き可憐な顔!! 夜空を切り取ったかのような麗しい瞳!! 小鳥のような愛らしい声!! ああなんと美しい人だろうか。あなたのような美しい人が私と心中を…? これぞ私が求めていたものだよ!! これぞ私の理想だ、国木田君!!」

「やかましいわ!!」

「君、中也から願われてって言ってたよね」

「はい。中原様が『そういえばA、お前死亡願望あったよな。このクソと心中してやってくれねぇか』と仰いましたので、身辺の整理をしてこちらに伺いました」

「中也!! ちゃんと探してくれるなんて、良い人じゃないか!!」

感動した、と涙を流す太宰を、引き気味に見つめている探偵社

僕この人の部下でやっていけるのかな。なんて今更なことをぼんやりと考え始める中島

完璧な現実逃避である

「死亡願望って…」

「日々死ねたらいいなぁ、と思いながら過ごしております。マフィアに入ったのも四六時中死ぬ危険のある仕事だと勧誘されまして」

「どんな勧誘の仕方だ」

「…それで、太宰様…。いかがでしょうか」

「うん問題ないよ。今すぐ行こうか。何がいい?」

「誰か社長呼んで来い!!!!」