イロイロ短編集♪6（リク消化最優先！）

ワールドトリガー　三輪秀次（葵@酸欠さんリク・嫉妬） ページ18

迅さん迅さん、と楽しそうにあの男を呼ぶ声が聞こえた

そちらに目をやれば、柔らかい髪を揺らしながら笑うあいつの姿が見えた


「あのね三輪くん、迅さんってすごいね」


久しぶりにデートに誘って、学校の帰りに寄り道しただけだが、並んで歩いているとき

あいつはニコニコと楽しそうに笑って言った

なんでも、この前の任務で一緒だったらしい


「やっぱり太刀川さんと張り合ってただけはあるよね」


まるで自分のことのように話すから、むかついて黙っていれば、それを勘違いしたのか、にっこりと笑って


「頼めば三輪くんも迅さんと一緒に任務にいけると思うよ」


なんて言うから


「おー秀次…って顔怖い、どしたよ?」

「…」

「ああ、あれか」


陽介が俺と同じ方向に視線を向ければ、納得したように頷いた


「行ってくればいいじゃん。Aの彼氏だろ?」

「うるさい」

「迅さんを尊敬かぁ。でも、仕方ないだろ。だってお前、言ってないんだろう」


以前玉狛が嫌いだということを言えば、Aは悲しそうな顔をして、私の従兄弟がいるのに…。と言葉を紡いだ

あわてて嘘だと言い繕ったが、まさか、迅に憧れの念をもつとは思わなった

迅とAが楽しそうに会話しているのを見ていて、胸がざわつくのを感じる

嫉妬だと、自覚している

じっと見つめていたら、こちらに気付いた迅が、笑みを浮かべてAに耳打ちをする

肩に添えられた手が、耳に寄せた口が、不快でしかない

触るなと、近寄るなと、言えればどれほど楽なのだろうか

衝動が口から出てきそうで、けれど、Aの前でそんな真似はしたくないと理性が叫ぶ


「お、彼女さんが手を振ってるぜ」


陽介の言葉にハッとすれば、確かにAがこちらを向いて手を振っている

それじゃあ、ああ、というやり取りが聞こえて、Aが走り寄ってきた


「三輪くん、声かけてくれればよかったのに」

「…邪魔かと思って」


そう言えば、不思議そうに首をかしげる


「三輪くんのことを邪魔だなんて思わないよ」


Aの笑顔と言葉に、恥ずかしくなって、マフラーで口元を隠す


「…今日防衛任務だろう。帰り、送っていく」

「え、いいの?」

「構わない」

「そっか、じゃあ待ってて。頑張ってくるから」


嬉しそうな笑顔に、先ほどのざわつきがおさまっていくのを感じた


「秀次ってばかわいー」

「からかうな」


軽くなった足取りで、俺はブースへと向かった

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