イロイロ短編集♪6（リク消化最優先！） (ページ17)

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名探偵コナン　バーボン２ページ17

あの日から、同じ夢を見る

僕は車に乗って、仕事に向かう途中

ふと窓の外に目を向けたときに、見つけた女性の姿

「…っ、コンチータ!」

車の中から叫ぶが、聞こえるはずもない

なのに、彼女はこちらを振り返って、いつものように無邪気な笑みを向ける

その笑みに感情が高ぶってしまった

組織の裏切り者として死んだはずの彼女が生きていて、つれてかえることが出来れば――――

気付けば、僕はハンドルをきっていた

「コンチータ!! どこにいるんですか…!」

海が見える、倉庫が立ち並ぶ場所

工事中と書いてあり、いくつかの倉庫が取り壊されている

彼女がひろったタクシーはここに入って、そして出てきた

追いかけたのだから、間違うはずはない

「コンチータ、あなたがなぜ裏切ったかは知りません…。ですが、逃げ続けても、どうにもなりませんよ」

組織の人間として、公安の人間として

「…A」

ぽつり、と彼女の名前を呟いた

すぐ後に、ポケットに入れていた携帯から着信が

公安の部下から、ということを確認して、電話に出る

「どうかしたのか」

[組織のスパイが公安にいるかもしれないという情報をつかみました。リストも出来上がっています。どうしますか]

「分かった。戻ったらすぐに確認する。召集をかけておいてくれ」

[了解]

ぷつん、と電話が切れた

ため息をついて、車に戻ろうと足を動かした時

「バーボン」

「―――!!」

かちゃり、とあてられた金属の冷たい感触

持ち主は…

「コンチータ…!」

にこりと微笑む彼女は相変わらず無邪気で、けれど、どこか禍々しい雰囲気をまとっていた

「良かった、生きていたんですね…。あなたを消しに来たわけではないんです。だから、銃を下してもらえませんか?」

バーボンとして語りかけるが、彼女は微笑んだまま

「Aさん…?」

「残念よ、バーボン…あなたが、公安のスパイだなんて」

「…え」

銃口の感触が、徐々に薄れていく

「何を言っているのか…」

「私は覚悟を決めたの、バーボン」

「好きな人を、殺す、覚悟を」

引き金が

ひかれた

いつもここで目が覚める

無邪気な笑みを浮かべて、彼女は夢の中の僕を殺した

「…コンチータ…いや、A…っ」

罪悪感からくるものなのだろうか

それにしても、居眠り中にまで見るとは

車の中でため息をついて、ふと、外に目をやれば

「…っ!!?」

無邪気な笑顔の、彼女を見つけた