もう一度、君と。３【shori.s】 (ページ4)

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いつからだろう

マリウスと勝利の仲が悪くなったのは

仲が悪くなったというより

マリウスが勝利のことを避けるようになった

そしてマリウスは近藤さんといることがなくなって

なぜか近藤さんは勝利の元へ来るようになった

馬鹿な俺でもわかったことは

近藤さんは勝利のことが好きだっていうこと

勝利に話しかける目が

近藤さんの話をするマリウスの目と同じだったから

一方の勝利は

全く興味がないようで

いつも平然としていた

近藤さんが勝利が好きだってことも

気づいていなかったと思う

ただマリウスに避けられるようになって

なんだか元気がなかった

どうにかしたいけど

どうしたらいいかわからない

そんな状況だった

そんなとき事件は起きた

いつもの帰り道

といってもいるのは勝利と俺と

マリウスではなく...近藤さん

校門を出ると少し手前に

マリウスが一人で歩いていた

勝利もすぐに気づいたみたいだけど

声をかける勇気がないのか

何も言わなかった

それに今は近藤さんもいる

そう思った

なんとなく前の方を気にしながら歩いていると

赤信号の交差点

マリウスは止まる様子をみせない

え？

赤信号の歩道を渡るマリウス

「マリウス！！！！」

何もできないで立ち止まる俺

ブーとトラックのクラクションが響いていて

止まる様子をみせないマリウスの元に

勝利は走って行ったドンっとマリウスを押したところで

トラックが道路を通過した

辺りには血が飛んでいて

勝利が倒れていたのに

足がこわばって動かない

「.....勝利くん！！」

俺より先に勝利の元へ駆け寄ったのは近藤さんだった

時間だけが過ぎて行って

近藤さんの泣く声も

マリウスの呆然とした表情も

なにもかも理解したくなかった

なんとか震える手を抑えて

救急車を呼んだすぐに救急車のサイレンが聞こえてきて

勝利が担架に乗せられた

救急員が声をかけても反応しない勝利

腕がだらんと垂れていた

「連れの方は..？！」

「は、はい！」

救急隊の呼びかけに

力のない声が出た

車に乗り込みただ勝利の手を握って祈った