もう一度、君と。２【shori.s】

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どうしようと考えていると

少し遠くを歩く

勝利くんが目に入って来た

久々にみた勝利くんは

少し前髪が伸びていて

なんだか大人びた不思議な感じがする

チョコバナナを手に持って

楽しそうに誰かと話している

誰かと話してる...？

勝利くんの視線の方へ目線をうつすと

浴衣をきた女の人...

勝利くんの彼女

特に顔を知っているわけでもないけど

直感で

そう思った

赤色の金魚が描かれている浴衣が

すごく良く似合ってる

少し低めの身長に

軽いウェーブのかかった茶髪のボブ

遠くからみてもわかるくらいの白い肌

勝利くんにぴったりの

可愛らしい女の子だった

楽しそうに話す2人をみて

なんだか目が熱くなってくる

見たら辛くなるってわかっているのに

なぜだか目が離せない

いつも聡に見せる笑顔とは違う笑顔

胸がチクリ

チクリと痛む

勝利くんあんな風に笑うんだ...

彼女が人混みに押されて

少しつまずいたのか

勝利くんが彼女の腕を掴んだ

浴衣からのぞいたその腕は

今にも折れそうなくらい細くて

綺麗だった

焦った顔をする勝利くんに

笑いかける彼女

勝利くんが彼女の頭を

コツンと叩く

すごく楽しそうでお似合いで

そんな2人をみていたら

居ても立っても居られなくなって

椅子から立ち上がった

泣いちゃダメ...

上を向いて必死にこらえても

さっきの光景が頭から離れなくて

涙が溢れてきた

家の方向へ人混みの中

下を向いて歩き出す

「あれ？Aちゃん？」

わたしを呼ぶ声がした

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