もう一度、君と。２【shori.s】

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着いたのは5分前

夏祭りとだけあって

町は人で溢れている

どこからか焼きそばの匂いがして

わたしの気持ちもあがる

「あ、いた！A！！」

そう言って少し遠いところから

笑顔で手を振って来たのは琴音と聡

「追試おつかれさま」

なんて嫌味ったらしくドヤ顔で言う

聡をどつく

「浴衣なんだから暴れない」

そう琴音に怒られた

聡はわたしのことをじーっとみていて

「なに？なんかついてる...？」

少し不安になる

「ううん、似合ってるね、浴衣。」

少し早口で言った

琴音の顔が一瞬引きつった気がした

「でしょ？」

なんて冗談っぽく返す

聡はそれ以上は

そっぽを向いてなにも言わなかった

「わ、わたしゲソ食べたい！」

琴音が屋台の方を指差して言った

「お腹すいたし花火まで時間あるよね、回ろ？」

琴音の提案で屋台を回ることに

「うわっ、人すごい...」

溢れんばかりの人にびっくり

「A？はぐれないでね」

わたしはコクリと頷いて

琴音と聡の後ろを歩いた

お祭りの熱気と

人の熱気でサウナ状態

人混みを掻き分け屋台へたどり着く

「いい匂い..」

琴音がでしょ？と笑う

たくさんの行列の中に並んで

ようやく手に入れたゲソ

熱々で味が濃くて美味しい

「あっつ！」

聡は勢いよく口に入れたみたいで

火傷したらしい

「ほんっとばか！」

琴音は楽しそうでわたしもつられて笑った

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