もう一度、君と。２【shori.s】

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結局、2人は私のクラスの前を通り過ぎて

最後まで来ることはなかった

なにを期待していたんだろう

「ちょっと、A片付け手伝ってよ！」

なにもせずぼーっと立つ私に琴音が声をかける

「あっ..、うん、ごめん。」

なにをすればいい？

そう聞こうとする言葉が遮られ

「A、ちょっと来て」

後ろから誰かに腕を引っ張られ

琴音の顔が少し歪んだ

その声の主は聡で

抵抗する間もなく教室を後にした

「ちょ、聡！どこ行くの！」

ただなにも言わずに歩く聡に問う

「ねぇ！聡！！」

「うるさい」

何度も聞く私にやっと一言

「うるさいって..、聡が引っ張るから！」

ふと琴音の顔を思い出す

「..勝利と、」

「え？」

「勝利と！なにか約束、してたの？」

腕を離されくるりと振り返って聡が聞いた

約束、だったのかな...

「..わかんない」

少し間が空いて私はボソッと呟くように言った

「え？わかんないって？」

なにそれと言うように聞き返す聡

わかんないよ

約束だと思ってた

けど結局、勝利くんは来てくれなくて

約束を破られたなんて

そんなのわかっててもわかりたくない

なにも言えずに下を見る私に

聡は優しく私の頭を撫でた

「ずるい...」

「え？」

「勝利くん、ずるいよ」

「うん」

「あんなっ..、あんなこと言っておいて、結局来てくれないし、ずるいよっ...」

「そっか..」

「結局...、頑張っても勝利くんには、 ...っ彼女いるもんね！勝てるわけないもんっ..、無理だよ」

自分で言ってて泣きそうになる

下を向いて必死に涙を堪える私に

聡はただ黙って頭を撫で続けた


聡の表情も想いも知らずに

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