もう一度、君と。２【shori.s】

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「なにがいいかな〜？」

体の向きをくるりと変えて琴音が聞いてきた

黒板をみてうーんと悩む

メイド喫茶やら縁日やらお化け屋敷やら

たくさん書き出されている

「楽しそうなやつがいいな」

迷った末こう答えた

「メイド喫茶やりたい！！やってみたい！！」

琴音はいつもより高いテンションで

楽しそう

「え〜でも普通メイド喫茶ってやるなら男女逆転みたいなのじゃない？」

話に入ってきた聡

「あ、たしかに！それおもしろそう！でもメイド服着てみたい」

2人で意気投合してる

今日は文化祭の出し物決め

10月に控えた文化祭までなんだかんだ言って

時間はあまりない

結局、多数決を取ることになって

私たちのクラスはメイド喫茶に決まった

しかも他の人からの意見で

男女逆転メイド喫茶に

メイド服なんて着れる自信なかったから

正直助かった

「じゃあ文化祭実行委員決めるぞ〜、やりたい人！」

教卓に立って話を進める菊池先生

この文化祭実行委員は結構大変らしくて

誰もやりたがらない

「よし、じゃっ、くじで決めるか」

一向に決まらないから菊池先生の提案で

くじ引きで決めることになった


「最悪....」

紙を開くと赤で当たりと書かれていた

「え、Aなの？運強すぎ」

馬鹿にしながら笑ってくる琴音

「うわ....」

その隣ではわたしと同じように落胆する聡

「え？松島も？」

琴音が少し心配そうに尋ねると

「なーんてね！」

と言って真っ白な紙を自慢げに見せてきた

「うざ！！」

聡の頭を軽く叩く

「当たり引いたやつだれ？」

「はい..」

恐る恐る手を挙げる

「お、Aか、がんばれよ」

文化祭実行委員のところに書かれた

わたしの名前にみんなからの拍手が起こる

全然嬉しくないんですけど...

なんて思いながらため息をついた

放課後になり部活に向かおうとする途中

菊池先生に呼び止められた

「さっき言うの忘れてたけど今日このあと生徒指導室で文化祭の話し合いあるから」

「え？」

「じゃ、がんばれよ」

そう言ってスタスタと職員室へ入っていった

「うそでしょ..」

琴音に部活に遅れることを伝えて

なんでもっと早く教えてくれないの！と

菊池先生に少しイライラしながら

生徒指導室へ入った

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