Emotion【SHO.H】 (ページ44)

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私と紫耀の‘‘秘密”は案外あっけなくバレることになる。

約束の土曜日、紫耀はバイクで私を繁華街に連れて行ってくれた。お家デートとは違う、紫耀と出掛けるという行為がとても嬉しかった。
私は紫耀とのデートに完全に浮かれていたのだ。
いつも通り、紫耀は私を家まで送ってくれた。
しかしここで事件は起こる。
今日は母親も父親も出かけていると聞いていたから私は調子に乗って紫耀にキスをせがんだ。
紫耀はそれに応えてくれる。
玄関先で繰り広げられていたその光景をまんまと勇太に目撃されたと言うわけだ。

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神「で。どーゆうこと」

「...というか、早くない？私が駅まで迎えに行くっていったじゃない。そもそも此処までどうやって来たのよ...」

神「予定がキャンセルになったんだよ。俺暇になったから早めにAの家行こうとして鬼電してたの。だけどAでねーから、廉に近くのバス停聞いて今、ちょうど歩いていたわけ。そしてジャストお前の浮気現場を目撃した」

神「......って、それどころじゃねーだろ」

どんな奇跡が積み重なればそんな虫のいい話になるのだろうか。予定がキャンセルだと？何故だ。何故、大阪にまで来て予定がキャンセルになる？
そしてどう言い訳をしようか...。どうにか誤魔化すしかないのだ。

「ただの友達なの」

神「友達？キスしててか？」

「彼にとって挨拶みたいなものなの。」

神「おまえ、見苦しいからやめろよ」

「本当よ、じゃあ逆に。私と彼が付き合ってるっていう証拠でもあるの？」

そう、証拠がない。
確かにキスをしていた光景は目撃されたが
まあそれはうまく丸め込める筈だ。

神「ここの傷、なんだよそれ」

そういって自分の首元を人差し指でツンツンと触った。傷....？
...しまった。どうして私はやることなすこと爪が甘いのだろうか。
私の首元には紫耀がつけたマークがくっきりと浮かび上がっていた。

もう手も足も出なかった。

「...言わないでください」

神「言えるわけねーだろ。阿保かよ」

「黙っててくれるの？」

神「当たり前だろ」

初めて勇太のことを、カッコいいと思った。
この男は私を庇ってくれるつもりなのだ。

神「で、いつから？(笑)」

その口調から
ただ、楽しんでいるようにも聞こえるが
それでも廉にバラすような心配はきっとない。