Emotion【SHO.H】 (ページ40)

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紫「それは俺になんて言って欲しいの？」

紫耀の抱きしめる力はさっきよりどんどん強くなってまるで紫耀の感情を表しているかのようであった。

「..しょお..くるしい」

紫「俺と今すぐ別れたいって言っとんの？」

やっぱり。紫耀の中で私はもう既に紫耀のモノになっていたようだ。

「...違うよ、ねえ？紫耀一回離して」

紫「やだ。離さん」

紫耀は駄々をこねる子供の様であった
私は紫耀の頭をそっと撫でる

「紫耀？私、最低な女よ。私にとって紫耀はキープなの。それでもいいの？」

キープだなんて、本当は思ってない。
けれど今の様子を見ている限り、
後に大打撃のダメージを食らうより
今のほうが傷が圧倒的に軽い気がした。

紫「2番目ってこと？」

「そう。それでもいいの？嫌でしょ？」

私は紫耀になんて答えてほしいのだろう。
「そうやな」か。それとも「2番目でもいい」か。
きっと私は紫耀を利用して、ただ私の罪を紫耀になすりつけようとしているだけなのかもしれない。

紫「2番目でもええ。お前がええ」

きっと紫耀はそれすらも見抜いているのだと思う。
そうだ。私はその答えが欲しかったのだ。
なすりつけるではない。
ただ紫耀と罪を共有したかっただけなのだ。

最低だ。私は最低な女だ。

「そろそろ帰らないと」

紫「A」

紫耀に初めて名前を呼ばれた。
名前を呼ばれただけじゃない。
それなのにこんなにこんなに嬉しくなって。

紫耀の唇が私の唇にそっと触れて離れた

.

紫「送る」

紫耀と私はこれで共犯だ。
私達はこの過ちを2人で共有していくのだ