Emotion【SHO.H】 (ページ4)

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顕「遠距離恋愛コツ」

廉「..なっ！ちょ見んなや！」

俺の携帯を覗くようにして顕○は嫌味のように言ってきた。

顕「やっぱ自信ねーんだ？うける」

廉「うっせ」

この遊び人に俺の気持ちの何がわかるというのだろうか。あんなにかわいい彼女を野放しにしている俺の気持ちなんて分かるはずがない。

顕「今日合コンあるんだけどさ..廉「いかん」

顕「廉、俺にはおまえの神経がわからない」

廉「わからんでええ、おまえは一生遊んでろ」

顕○はモテるけれど特定の女を作らない。１人には絞りきれないらしい。顕○曰く、全てを掛け備える女は居ないから、多数の女で全てをカバーしているらしい。阿保な男や。

顕「本当に続くと思ってる？」

廉「当たり前やろ。」

顕「じゃ、賭けようぜ。2年後、廉の隣には結城がいるかどうか」

廉「くだらん」

ホンマにくだらん。俺とAが別れる？あり得ん。俺は絶対に浮気はしないし、彼女が浮気をするようにも見えない。第一、俺らに距離なんて関係ないんや。

顕「そ。じゃ俺合コンだから」

そう言って顕○は教室を出て行った。着飾った女集団と気を使って話さなきゃいけない場にわざわざ出向く顕○を逆に尊敬するわ。

俺もそろそろ帰らな、時間に間に合わんと思って俺も教室を出た。

.

廉「もしもし」

「もしもし？」

午後7時からは彼女と会話する大切な時間。
この時間は会えない彼女に対する俺の充電時間でもある。

廉「どうや？もう慣れた？」

「ふふっ廉、それ昨日も聞いた」

ああ、そうやった。でも心配やから何回やって聞きたくなるねん。

廉「おまえの周り、男寄ってくるやろ？」

「人並みにね」

廉「おいッ！否定せいや！」

「ふふっ」

彼女の愛くるしい容姿を思い出せば、今すぐにでも彼女を連れて帰りたいと思った。

廉「なあ、逢いたいよ」

「わたしもあいたいよー」

廉「適当やん」

俺ってホンマに面倒くさいしちっこい男やと思う。でもな？そういう風にさせてるのは紛れもなくおまえやで。

廉「なあ、ゆーて。」

「え～？」

廉「ええから。ゆーて。」

「廉、大好き」

廉「俺はもっと大好きや」

''遠距離恋愛中ははっきりと愛を言葉で伝えるべき''とグーグルに教わった。

「廉、そろそろ」

廉「ん。また明日。」

不安がないと言えば嘘になる。不安だらけや。けれど俺は彼女のことを信じるしかなかった。