渡辺くんってさ、【青】３

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You side.











樹くんが話し終わった後、翔太は顔を手で覆いながら「きっつ....」と耳を真っ赤にしていた。













「ね？可愛いとこあるでしょ？しょっぴーって意外と奥手だし傷付きたくないから自分から行かないんだよ」


「そうなんだ、」


「だから相当好きだよ、Aちゃんのこと」










過去の話を聞いて、翔太がどんな人だったのかを知れて嬉しい気持ちもあったし、私が思い描いていたとおりの彼だったことへの安心感もあった。

でも少しだけ、過去の彼女や女関係を知ってしまったことを後悔した。



こんなにモヤモヤするくらいなら、聞かなければ良かったなんて思ってしまうくらい。





少しだけ、

本当に少しだけ、

苦しい感情が心臓の辺りに引っかかる。






今の翔太が違うことくらい分かってるつもり。
なのになんで、こんなにモヤモヤするんだろう。











「Aちゃん、大丈夫？」


「え、？」


「樹ってこうだって思ったら突っ走っちゃうタイプだから。Aちゃんの気持ちも考えずに聞かされて嫌だったよね、ごめんね」











高地くんが代わりに謝る姿に、私はこの感情が表情に出ていたんだと悟った。












「ううん！違うの！大丈夫！」











無理矢理笑って見せたけどちゃんと笑えてたかな、












「ごめん！俺、しょっぴーのこと丸ごと愛してほしくてつい....」


「ううん！全然大丈夫！過去にどんなことしてたとしても、私は今の翔太が好きだから、」


「A....」












翔太に名前を呼ばれて、ハッと我に返る。












「な、なんでもない！聞かなかったことに、！」












急いで誤魔化したけど、無意味だったみたい。
彼は嬉しそうに口角を上げた。




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