渡辺くんってさ、【青】３

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You side.













少し乱れスカートを直し、心を落ち着ける為にコーヒーを入れた。



これからは会社でも気が抜けない。
急にあんなことされたら心臓がもたない....











「はぁ....」











ひとつ小さな溜め息をつくと、後ろから名前を呼ばれた。











「Aちゃん？」


「あ....宮舘くん、」


「朝から溜め息なんて珍しいね。渡辺さんのこと？」


「あはは、宮舘くんは鋭いなぁ」


「好きな人のことならなんでも分かるよ」













そう言って彼は微笑む。
その笑顔の中には優しさと少しの切なさが混じっているように感じた。













「宮舘くん、あのね、」












私はあの日の答えを出そうと口を開いた。




きっと察しがついているのだろう。
さっきよりも切ない表情を浮かべている。

それでも私からの言葉を待っているようだった。












「私ね、翔太と付き合うことになった」










一瞬息を飲み、ゆっくり瞬きをした彼。











「そっか。おめでとう」











そう言って優しく微笑んだ。












「表情を見てなんとなく分かったよ。溜め息をついていても、幸せそうな顔をしてる」











私が苦しくなる資格なんてないのに、どこか心臓の辺りがキュッと締め付けられるような気持ちになった。












「まぁ、そういうことだから」











気付いたら入り口に翔太が立っていて、スタスタと私の隣に来て肩を引き寄せた。













「もう俺の彼女だから」













少しふてくされた顔をして宮舘くんを睨むように視線を送った。













「俺はAちゃんが幸せならそれでいい。泣かせるようなことしたら、その時は俺が迎えに行くから」


「泣かせるかよ。お前の出番なんかねーわ。残念だったな」












シッシッ、と手で追い払う仕草をする。
宮舘くんはふふっと笑いながら「お幸せに」と呟き、給湯室を後にした。





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