74 帰宅と報告 ページ25
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「ただいま〜」
「おー、おかえりーって、うおっAちゃん？」
「ただいま鬱さん！」
玄関ドアをくぐり抜けると急いで靴を脱いで家に上がる。
いくら急いでいるといっても脱いだ靴はきちんと片付けるけど、靴を仕舞う手つきも些か慌てていた。
私たちが帰宅したことに気がついて出迎えてくれた鬱さんに挨拶を返して、慌ただしくその横を通り抜ける。
珍しくバタバタした様子の私を見て、鬱さんは目を丸くして、私と一緒に帰宅してきたゾムさんやショッピさんに尋ねる。
私はそれを横目に見て二階へ上がった。
「え、Aちゃんどうしたん？何かあった？」
「それがわかれへんねんなぁ。帰りの電車でもずぅっとソワソワしててん」
「なんか嬉しそうやったから『何かあったん？』って訊いても、『最初にトントンさんに伝えたいので！』って言われて教えてくれなかったんすよ」
バタバタと階段を駆け上がって自室に戻ると、カバンを置いて服を着替えて、手を洗うために再び階段を駆け足で降りた。
洗面所で手を洗って、ようやくリビングに行ける。
ほとんど飛び込むようにリビングへ入ってきた私を見て、他の人たちは物珍しそうにしていた。
そんな反応も気に留めず、私の目的はたったひとつ。
今はリビングダイニングと繋がっているキッチンで夕飯の支度をしている人影に声をかけた。
「トントンさん！っあの、今日、学校！大丈夫でした！上手く行きましたっ！」
そう。今日学校を出てからずっと、このことをトントンさんに伝えたかったのだ。
今朝、学校へ行く準備をしている私を見て数名は心配そうな顔をしていた。
昨日学校を早退してきたこともあるし、昨日の様子を見て私が学校で何かあったことはほとんどの人が察していたから。
それに対して、私は意外と晴れやかな気持ちだった。
ずっと胸でわだかまっていた気持ちは、昨夜トントンさんと話したおかげで無くなっていたからだ。
そのことをみんなに説明するのは少し難しい。
でも、みんなに心配をかけている以上、私はいつも通り学校に行って平気な様子を見せて、みんなを安心させたい。
家を出る前に、玄関まで見送りに来たトントンさんが「何かあったら迎え呼んでええから、早退させてもらってな」と言っていた。
なんだか私が初めて学校へ行った日のことを思い出して、そんなに古い記憶でもないのに懐かしい気持ちがしてはにかんだ。
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遥(プロフ) - 前作から読んできました。また更新シテクレテありがとうございます！無理をせずに頑張ってください！ (2021年12月8日 13時) (
レス) @page24 id: ed604a5787 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - なめらかさん» とんとんさんのことばがすごくあったかかった。優しい、主さん (2021年12月8日 9時) (レス) @page24 id: 315f44b475 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - なめらかさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。励みになります。今後も更新を頑張ってまいりますので、応援よろしくお願いいたします！ (2021年12月8日 5時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
なめらか - 素敵なお話で一気読みしてしまいました！心が暖かくなります(* ´ ` *)陰ながら応援しております…！ (2021年12月8日 1時) (レス) id: 8591759a73 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - @死神れもんさん» コメントありがとうございます、お久しぶりです。長らくお待たせしてしまいましたが、まだ読んでくれる方がいることがとても嬉しいです。相変わらず更新は遅いですが、これからもお付き合いいただけますと幸いです。 (2021年4月3日 9時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし | 作成日時：2020年5月15日 10時
