36 謝ることなんか ページ36
しばらくすると、本当に少しずつ呼吸が落ち着いてきて、咳も途切れ途切れになってきた。
「よかった。ちょっと落ち着いてきたな。」
安心したようにしんぺいさんが表情を緩めたが、トントンさんはまだ心配そうに私を覗き込んでいる。
もう大丈夫だと体を起こそうとすると、オスマンさんが背中に手を添えて補助してくれた。
「ケホ、っ……ごめんなさい、咳、うるさくて起こしちゃったんですよね」
「そんなんはええねん。落ち着いたみたいでよかったわ。」
小さく咳をこぼした私に、慌ててオスマンさんが背中をなでる。
優しい手つきに、ちょっと罪悪感が生まれた。
「Aちゃん、前に『体が弱い』って言うとったけど、こういうのはよくあるの？」
「はい、小さい頃から、時々……」
私がそう言うと、しんぺいさんは少し考えるような仕草をしたあと、そっか、と頷いた。
「まだ苦しい？眠れそう？」
「大丈夫だと思います」
少し苦しさは残っていたけど、これ以上誰かの時間を奪うのも気が引けて、大丈夫だと答えた。
私がベッドに入ると、トントンさんが布団をかけ直してくれる。
ホコリを舞いあげないようにそっとかけてくれて、よく気が利く人なんだな、と改めて気づいた。
「咳の発作は、なんか原因とかあるん？ホコリとかアレルギーが原因なら、掃除して対策できるんやけど…」
そう言って視線を落としたしんぺいさんに、少し迷ってから告げる。
「今回のは、ちょっと色々考えこんじゃって、そのせいだと思います」
「そっか。悩みごと？何かあったら相談するんやで」
「ありがとう、ございます」
私の頭を一度軽くなでて、三人は出ていった。
去り際に、電気を消しながら振り向いたトントンさんの口が、ごめんな、と動いた気がした。
大方、私がコネシマさんのことをトントンさんから聞いたストレスで発作を誘発したのかもと考えついたんだろう。
そんなの、考えなくていいのに。
三人が出ていったとき、他にも廊下に気配があったけど、トントンさんが「大丈夫やから部屋に戻り」となだめている声がした。
三人だけじゃなくて、他の人たちまで起こしちゃったなら、明日謝らなきゃ。
横になると少し息苦しかったけど、無理やり目をつむって眠った。
また何度か咳で目が覚めたけど、ぎゅっと口を抑えて音を漏らさないようにして、朝を待った。
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クロ - だ、ｗｗだいめｗｗい←タイトルでつぼった (2021年12月14日 15時) (
レス) @page44 id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - @死神れもんさん» 返信遅れてしまって申し訳ないです…！ふふ、今後の展開など楽しんで推理してもらえると嬉しいです。応援もありがとうございます！近日中に続編へ行けるよう頑張りますので、今後もお楽しみいただけると幸いです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - すみれいんさん» 返信遅れてしまってすみません。いつもコメントありがとうございます！感想などいただけると本当に励みになりますし、嬉しいです。近々続編へ移行する予定ですので、そちらもお楽しみいただけると幸いです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - レナさん» 返信遅れて申し訳ないです……！コメントありがとうございます。とても嬉しいです！そろそろ続編へ行く予定ですので、続編でもお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
@死神れもん - knさんまさか,ガチのかぞk((おっと、やめたほうがいいか！このお話好きです！頑張って更新してくださいね！( ´ ▽ ` ) (2020年5月10日 12時) (レス) id: 14c18b2c8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし | 作成日時：2020年4月25日 21時
