20 熱に魘されて ページ20
「っは、はぁ……う、ぅ…ん……」
暑い。
寝苦しさに目を覚ますと、まだ横になって2時間も経っていなかった。
背中が汗で濡れて気持ち悪い。
熱で頭がふわふわして、視界が歪んだ。
ズキズキ痛んでいた頭は、今はガンガン殴りつけられるような痛みに変わっていた。
頭まですっぽり布団を被って背中を丸める。
暑い。頭が痛い。
何か、悪い夢を見ていた気がする。
内容は覚えていないけど、嫌な夢。
耐え難い頭痛に涙まで溢れてきた。
熱が出て精神的にも弱っているのか、どうにも涙脆くて仕方ない。
隙間がない布団のなかで薄い酸素を吸って、荒い息と嗚咽を漏らした。
コンコン。
ふと、一人の部屋にノックの音が響く。
「Aさん、失礼します。
…寝ているんですかね？」
「う……っひ、く…ふ、っう、ぅ」
「Aさん？」
頭まで被った布団のなかで嗚咽を漏らしていると、パサリと遠慮がちに布団がめくられた。
体を丸めて泣く私を覗き込むエーミールさんがそこにいた。
「わ、え、Aさん？どうしたんですか、どこか痛いですか？」
「え、えーみーる、さ…」
私の頭に手を当てて、痛い？と訊くエーミールさんに頷く。
は、は、と浅い息をする私を見て、エーミールさんが眉を顰めた。
「頭まで布団被ったら熱がこもってまうから、取りますよ」
エーミールさんは果物のゼリーと薬持っていて、仕事に行ったしんぺいさんの代わりに頼まれたのだという。
食べられそうかと訊くエーミールさんに、申し訳ないけど首を横に振った。
エーミールさんが額に冷えピタを貼ってくれる。
横になって未だにポロポロ涙を零す私の頭をエーミールさんが優しくなでた。
「しんどいよな…代わってあげられたらええのに。」
頭痛を宥めるように頭をなでて、エーミールさんが立ち上がった。
「着替えと汗を拭くタオルを取ってきますから、寝ていてください。」
そう言ってベッドから離れようとするエーミールさんの袖を、咄嗟に掴んでしまった。
「Aさん？」
「あ…や…何でも、ないです」
ごめんなさい、と手を離した。
行かないで、なんて。
私のために動き回ってくれる人にとても言えることじゃなくて。
諦めて目を閉じると、閉じた瞼に手のひらがそっと重ねられた。
エーミールさんだ。
「大丈夫です。どこにも行きませんよ。」
穏やかな声に眠気が誘われる。
冷たい手が心地よくて、自然と眠りに落ちていった。
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クロ - だ、ｗｗだいめｗｗい←タイトルでつぼった (2021年12月14日 15時) (
レス) @page44 id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - @死神れもんさん» 返信遅れてしまって申し訳ないです…！ふふ、今後の展開など楽しんで推理してもらえると嬉しいです。応援もありがとうございます！近日中に続編へ行けるよう頑張りますので、今後もお楽しみいただけると幸いです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - すみれいんさん» 返信遅れてしまってすみません。いつもコメントありがとうございます！感想などいただけると本当に励みになりますし、嬉しいです。近々続編へ移行する予定ですので、そちらもお楽しみいただけると幸いです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - レナさん» 返信遅れて申し訳ないです……！コメントありがとうございます。とても嬉しいです！そろそろ続編へ行く予定ですので、続編でもお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
@死神れもん - knさんまさか,ガチのかぞk((おっと、やめたほうがいいか！このお話好きです！頑張って更新してくださいね！( ´ ▽ ` ) (2020年5月10日 12時) (レス) id: 14c18b2c8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし | 作成日時：2020年4月25日 21時
