17 不安な気持ち ページ17
「あ、Aさん！」
しんぺいさんとトントンさんに連れ添われてリビングに戻ると、それに気づいたエーミールさんが顔を上げた。
他の人たちもまだテーブルを囲って座っていて、なんだか気まずい。
とぼとぼ歩いて席に戻ると、エーミールさんに話しかけられる。
「Aさん、すみません。隣におったのに気づけなくて。」
「そんな…私こそ、ごめんなさい」
「Aさんが何を謝ることがあるんです！」
気分を害してしまってないだろうか、と謝ると、エーミールさんが驚いたように否定する。
「Aちゃんが謝ることやないよ」
「大先生なんかアホみたいに酒飲んでリビングでゲロってるしな！」
「ちょっとシャオちゃん女の子にそういうこと言わんといて！？」
途端に騒がしくなったリビングに、思わず頬が緩む。
すると、お隣のエーミールさんからふと視線を感じた。
私も視線を向けようとすると、目が合う直前に、目元に手が触れた。
エーミールさんが、親指の腹で優しく泣き跡に触れる。
「ちょっと赤くなっとるな……何か冷やす物とかあったほうが…」
「え、エミさん何ナチュラルに触っとんねん！セクハラやぞそれ！！」
「はい！？私はただ、腫れとるから濡れタオルでも要るかなと思っただけで…」
「ほんなら別に触る必要ないやん！！」
ゾムさんとロボロさんに口々に言われて、エーミールさんが眉を下げる。
いつもこんな調子なんだろうな、と内心ちょっとおかしく思っていると、エーミールさんが困った顔で私に言った。
「すみません、Aさん。断りなく触ってしまって、嫌な気持ちにさせてしまったら…」
「え、いや！私は別に、大丈夫です。」
私よりずっと年上の大人の人が真剣に謝るものだから、驚いてしまう。
そうやって、優しいからから皆にかわれるんだろうな。
からかわれても本人は怒らないし、許しちゃうし、なぜか自分が謝ってしまうし。
でも、それが許される関係っていうのもあるんだろう。
皆さんが目に見えない強い絆で結ばれているように感じて、なんだか羨ましく感じる。
いいな。家族って、こういうものなんだ。
私は知らなかった。
羨ましいと感じると同時に、私もその家族の一員になることに不安を感じた。
もう、私が来る前の14人で、完璧に完成されたものに見えて。
この中に、私が入ってもいいんだろうか。
入る余地などあるのだろうか。
途端に心細くなってしまって、他の人に気づかれないように俯いた。
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クロ - だ、ｗｗだいめｗｗい←タイトルでつぼった (2021年12月14日 15時) (
レス) @page44 id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - @死神れもんさん» 返信遅れてしまって申し訳ないです…！ふふ、今後の展開など楽しんで推理してもらえると嬉しいです。応援もありがとうございます！近日中に続編へ行けるよう頑張りますので、今後もお楽しみいただけると幸いです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - すみれいんさん» 返信遅れてしまってすみません。いつもコメントありがとうございます！感想などいただけると本当に励みになりますし、嬉しいです。近々続編へ移行する予定ですので、そちらもお楽しみいただけると幸いです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - レナさん» 返信遅れて申し訳ないです……！コメントありがとうございます。とても嬉しいです！そろそろ続編へ行く予定ですので、続編でもお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
@死神れもん - knさんまさか,ガチのかぞk((おっと、やめたほうがいいか！このお話好きです！頑張って更新してくださいね！( ´ ▽ ` ) (2020年5月10日 12時) (レス) id: 14c18b2c8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし | 作成日時：2020年4月25日 21時
