01 雨の日 ページ1
寒い。冷たい。
頬を打つ冷たい雨に、沈んでいた意識がゆっくりと浮上した。
手先が氷のように冷えていて、
もはや感覚はない。
頭のてっぺんから足先までぐっしょり濡れていて、その上降り続く雨が着実に体温を奪っていった。
私、何してるんだっけ。
ふと頭に浮かんだ疑問は、記憶を数日前まで遡れば簡単に答えが出た。
もともと、お家では良い扱いを受けていなかった。
私のことなんか存在しないも同然に扱う家族に、10年以上生きていれば私もとっくに慣れてきて。
私は、家族にとって疎ましい存在。
生まれてからずっと、アンタなんかいなきゃいいのにと言われ続けてきた。
それが、つい数日前にとうとう家から放り出された。
「帰ってこなくていいのに」と言われるのには慣れていたが、
ついに「出て行け」「二度と帰ってくるな」と家から追い出されてしまっては、どうすればいいのかわからなくて。
夜に眠っていた私は突然ベッドから引きずり出されて外に放り出されたから、
当然靴なんか履いてないし、服も着古した薄っぺらのパジャマだけ。
冷たい夜の住宅街を裸足で彷徨って、
朝になっても昼になっても歩き続けた。
また夜が来たら、疲れて狭い路地裏で眠って、目が覚めたらまた行く宛もなく歩く。
そうしているうちに、気づけば全く知らない場所にいて、
降り出した雨を凌ぐ術もない私は、人通りも少ない道端の隅っこで雨に打たれていた。
お腹すいた。
家を追い出されてから何日経ったんだろう。
きっと、まだ4日もしないと思うけど。
数日間ご飯を食べさせてもらえないことは慣れていたけど、
数日間野ざらしで放置されるのははじめてだ。
手先も足先も冷たいのを通り越して、痛い。
裸足で道路を歩き続けたせいで、足の裏はガラスの破片や石を踏みつけてボロボロだ。
寒い。冷たい。
なんだか眠くなってきた。
でも、こういうときって眠っちゃいけないんだっけ。
ザァザァと雨が降り続くなか、
道路の隅で膝を抱えていた私の耳に、ふと、車の走る音が聞こえた。
ここは人通りもなくて、車が通るのも久しぶりだ。
道の端っこに寄っているから、轢かれることもないだろうけど。
こちらへ向かってくる車の駆動音に、膝を抱える力をいっそう強くして縮こまる。
すると、近づいてきた車のライトがぱあっと
蹲る私を照らしたあと、
私の数メートル手前でゆっくり停車した。
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クロ - だ、ｗｗだいめｗｗい←タイトルでつぼった (2021年12月14日 15時) (
レス) @page44 id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - @死神れもんさん» 返信遅れてしまって申し訳ないです…！ふふ、今後の展開など楽しんで推理してもらえると嬉しいです。応援もありがとうございます！近日中に続編へ行けるよう頑張りますので、今後もお楽しみいただけると幸いです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - すみれいんさん» 返信遅れてしまってすみません。いつもコメントありがとうございます！感想などいただけると本当に励みになりますし、嬉しいです。近々続編へ移行する予定ですので、そちらもお楽しみいただけると幸いです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - レナさん» 返信遅れて申し訳ないです……！コメントありがとうございます。とても嬉しいです！そろそろ続編へ行く予定ですので、続編でもお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月15日 7時) (レス) id: c457153612 (このIDを非表示/違反報告)
@死神れもん - knさんまさか,ガチのかぞk((おっと、やめたほうがいいか！このお話好きです！頑張って更新してくださいね！( ´ ▽ ` ) (2020年5月10日 12時) (レス) id: 14c18b2c8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし | 作成日時：2020年4月25日 21時
