線香花火が散る頃に【d!】【kn】 (ページ7)

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彼女の肺炎は日に日に酷くなり、モルヒネという麻薬の様な物を打って寝させることしか出来ない状態になった。

医師からは残り数日が山場だと言われた。

必然と手に力が入る。

あと数日で彼女が死ぬ。

受け止めたくても受け止めきれない現実。

俺が病室に入ると、彼女は弱々しく、小さく目を開けた。

「起きとったんか。」

彼女は数回瞬きをし、目を瞑った。

あれは肯定の合図だろう。

彼女の手を撫でると、点滴ににより水分を多くとっているためからかもちもちですべすべだった。

生を感じれてしまったのがより悔しかった。

「大丈夫や,,,大丈夫やからな,,,。」

彼女のお腹を軽く撫でる。

自分に自己暗示をさせるようにそう唱えても、彼女の血圧と脈拍は少しずつ低くなるばかりだった。

時々大きな咳をし、このまま目の前で亡くなってしまうのではないかと怖くなり、見たくなくなる。

でも、生きている彼女を見られるのはこれで最後かもしれない。

これから家に帰れば彼女が亡くなった報告がされるかもしれない。

俺は彼女との最後のツーショットを撮った。