苦くて苦しいビターチョコ【shp】 (ページ7)

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カサカサという袋の音で目を覚ます。

どうやら私は寝ていたらしい。

ふと、横に目をやると林檎を剥く彼が居た。

果物ナイフなのに何処か危ないソレを止めようと手を伸ばす。

shp「あ。起きたんすね。」

それをさらりと躱した彼は、私から果物を遠ざける。

『ぴ君？どうして,,,？』

覚醒し始めて来た脳が、現在の状況の整理を行う。

私の目の前には彼が居る,,,。

え。

いやいやいやいや!!

可笑しい可笑しい!!

shp「唯一の幼馴染が風邪ひいたんやったら、看病すんのが当たり前やろ？」

顔色一つ変えずそう言い切った彼。

ヤバイ。

また、惚れてしまいます。

『あ,,ありがと。』

shp「いいえ。

で、このりんご食う？」

彼の手には形が歪になってしまった林檎が。

彼の作ってくれた(？)モノを私が食べない訳がない。

『た、食べるよ!!有難うね!!』

林檎を口に運ぶ。

少しの酸味が口内を刺激する。

が、甘みは感じられなかった。

shp「あ、タオルは替えといたし、ポカリとゼリーも買っといたから、自由に食べてな。」

『あ、お、お金,,,!!』

私はそう言い、部屋から財布を探そうとするが、それは彼の言葉によって阻まれた。

shp「そんなに高かった訳やないし、大丈夫やで。

Aが、明日元気に登校出来ればそれでええから。」

彼はそう言い、頭を軽く叩き、部屋を出て行った。

下から聞こえる扉の音を合図に、私の意識は夢の中に再度落ちて行った。

これが夢じゃなかったら,,,なんて。

彼はやっぱり優しかったんだね。

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感情の最頻値は嬉しさですか？