苦くて苦しいビターチョコ【shp】 (ページ4)

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後ろから駆け寄って来たのは、私の理想とは反する人物だった。

「元気にしとるかぁ？ってえらい暗い顔しとるな。」

『ちの君,,,。』

その人の名前は「千井野司(ちいのつかさ)」

彼と仲が良い友人の一人だ。

ci「いやー。前見たらA居ってさぁ!そりゃあ走って来たよね!」

明るくそう言い放つちの君は、私の友達でもある。

皆が離れていく中で、ちの君とあと数名ほどは、今でも仲良くしてくれている。

『ありがとね。』

思いもよらぬ人物の登場に嬉しさが増している反面。

彼で無かったことに対する悲しさ。

足して０になればどれ程良かった事か。

私の気持ちは-(マイナス)だ。

ci「ってかどうしたん？そんなにくっらい顔してさぁ,,,。」

『な、何でも無いよ!』

必死に取りつくろい、顔を明るくさせようと試みるが、口角は不自然にしか上がらない。

ci「えーっと「俺みたいな何でもない様な人間に言える事は無い」,,,,と。」

『ちょ、ちょっと!変に解釈しないでよ!!違うってば!!』

ci「じゃあ何？？俺に言えるんやろ？？」

彼は悪戯っ子の様に笑い、そう聞く。

言えない。

言えないよ。

「彼が来るのを期待して居た」

なんて。

言えないよ。

『ホントに!!何でも無いから!!』

ci「Aのケーチ!」

『ケチでもなんでもないよ!!』

ちの君との関係も、彼とちの君との関係も壊さないために。

私は笑顔を創ります。

愛の一次関数の切片は？