苦くて苦しいビターチョコ【shp】 (ページ1)

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一章・愛ページ1

私には幼馴染が居る。

昔は何処に行くのにも一緒で、親友という曖昧な言葉では表せない程に仲が良かった。

だが、それは全て"昔"の話なのだ。

今の彼はすっかり落ち着いてしまい、昔の様な破天荒さは微塵も無くなった。

そして、私との関係も無くなった。

幼稚園の頃。

彼は何時も私と遊んでくれた。

彼の早い足がとっても羨ましかった記憶がある。

小学生の頃。

彼は虐められていた私を助けてくれた。

彼の見せる笑顔がとっても可愛かった記憶がある。

中学生の頃。

彼は私と休日によく出掛けてくれた。

彼の奢ってくれたご飯がとても美味しかった記憶がある。

高校生の今。

彼は私と話さなくなった。

彼の顔は大人びていた。

彼がかっこよくなる一方。

私は変わらなかった。

鈍臭くて頭が悪い。運動が出来ない愛嬌だけが取り柄の女の子。

彼に不釣り合いなのが分かっていても。

好きなのだから、しょうがない。

『ぴ君。好き。』

何度目かのラブレターをゴミ箱に捨てる。

どれだけ可愛い丸文字で綴っても、彼は変わらない。

愛って、何が基準なんだろ。