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緑side ページ32

本当に急だった。

阿「、、え？舘さん、、？翔太、、？」

ちょうど荷物の整理を終えて、リビングに入った瞬間。

舘さんの焦った声と共に、ドスドスと足音が聞こえてきそうな程不満そうに舘さんを引っ張って部屋に連れて行く翔太。

佐「、、、今のなに、、？」

阿「や、、、、全然わからん、、、」

言い合っているような素振りもなく、本当に突然。

料理途中の野菜たちも気になるけど、何より2人が心配でそーっと舘さんの部屋の前へ。

中からは翔太が一方的に話す声が。

内容からするに、舘さんが体調悪いのに自分のことを後回しにしていることが不安で心配で、翔太はそこが許せないんだろう。

舘さんらしいし、翔太らしい。

ゆり組担の俺からするとなんとも微笑ましい瞬間ではあるんだけど、流石に少し冷静になった方がいいなって思ったから。

一旦2人を引き離した。

阿「思ったより熱高そうじゃん、、、よく隠せてたね、、。」

舘「隠してたわけじゃないけど、特に聞かれなかったから、、、」

阿「そりゃ、体調悪そうに見えないから聞かないよね、、、苦笑」

ベッドに寝かせて、看病道具を取りに行くから待っててねと伝えて部屋を出る。

ドアを開けてすぐのところに座り込む翔太と目が合って。

阿「翔太、よく気付いたね。」

翔「いつ言ってくれんのか待ってたのにマジでいつまで経っても言わないんだもん。」

阿「でも、あんな勢いで責めないであげて、、笑」

ほら、看病道具取りに行くよってリビングまで翔太の背中を押して降りる。

体温計やら薬やらを集めて翔太に持たせる。

阿「はい。ちょっと冷静になった？今度は翔太が行っておいで？」

翔「え、、阿部ちゃんは？」

阿「もう2人で大丈夫でしょ？ちゃんと翔太の言葉で伝えてあげて？」

俺の役目はここまで。

2人だからこその距離感があるはずだから。