The day ページ13
.
携帯が震える。
約束のあいつがいる学校まで歩く。
「ユンギヒョン！行きましょう。」
『…ん。』
連れてこられてた場所は公園で、そこにいるのは勿論あの2人。
チョコを出して、受け取って、笑顔で笑ってる。
この行動が何を示しているかなんて明らかで、
「ゴホッゴホッゴボッ」
彼の迎える結末もわかる。
こいつが見てるのはあいつらで、そんなあいつらを見てこいつは心底幸せそうに笑ってる。
ジョングクは
馬鹿だ。
馬鹿なこいつは
そのまま散って消えた。
夢なんじゃないか、
そう思ってしまうほど
綺麗に。
吐いた花はすべてあいつを想うような花言葉ばかりで。
もったいない。
こんなに想っている奴がいたのに。
こいつを選ばないなんて、
選ばないなんて…
『ぅう………あっ、ぅあ…………うっ…』
自分でも驚くほどとどめなく流れてくる涙。
俺もあいつと同じだ。
いや、もっとひどい。
気づいてたくせに気づかないふりして
出会ってから1週間しか経ってないのに
好きになっていたみたいだ。
高校生のくせにやけにムードのある珈琲屋を知ってたり、
年下のくせにいじってくるところも、
自分よりジミンってやつの幸せの方が何百倍も大切なところも、
いつもいつもいっつもジミンってやつのことばっか考えてるとこも、
全部全部全部大好きなんだ。
大学生になってるくせに流れてくる涙と、
抑えきれない嗚咽。
ちょうど良く雨が降ってきて
どんどん強くなっていって
“僕あと1週間で死ぬんです。”
最初に会った時を思い出す
目に入ったのはあの時雨宿りをした店で
あの時の花はもうたくさんの人に踏まれてぐちゃぐちゃで
ほんの1週間前のことなのに
たった1週間しか経ってないのに…
馬鹿みたいだ。
.
それから
1日
1週間
1ヶ月
1年
3年
5年
10年
今でもあいつの最期の笑顔が頭に張り付いて離れない。
『………好きだ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユカ(プロフ) - とても切ない気持ちになりました(T . T) 素敵な作品をありがとうございます (2019年11月20日 0時) (
レス) id: 3871a6219e (このIDを非表示/違反報告)
あじゅ(プロフ) - セジュンさん» 勿体ないくらい素敵な感想ありがとうございます。そんな風に言って頂けてとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 1e8907bb70 (このIDを非表示/違反報告)
セジュン(プロフ) - とても美しいです。泣きそうです。素敵なお話をありがとうございました。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: c623726b4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あじゅ | 作成日時：2018年12月17日 16時
