君と僕−鍵のついた心−

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勝利｢別に…。

でも、笹本が話してくれるなら俺は聞くよ。｣









君は驚いた顔で僕を見る。









A｢本当!?｣









勝利｢う、うん。｣









A｢私も佐藤くんと同じで両親はいない。

叔母さんに預けられて…。｣









君は急に震えだした。









勝利｢大丈夫？

話すの辛かったら無理に話さなくていいからね。｣







君は｢ありがと｣と呟き深呼吸した。









A｢私は叔母さんに殴られてるの。

毎日毎日叩かれる。

毎日毎日お前は要らない子って言われるの。

帰りたくなくてこの方法を覚えたの。

だから私は好きでもない人と身体を重ね続けて…

汚れた。｣









君はまた泣き出した。








でも、さっきの涙とは違って安心感とかの方だった。









A｢ゴメン…。

引いたよね。

私、友達もいないからさ。｣







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同じだ。




勝利｢俺と同じ境遇だ…。

俺も預けられた家で殴られて施設に保護された。｣









A｢…そうなの？

なんか佐藤くんといると安心する。｣









勝利｢俺も…。｣









A｢叔母さんには佐藤くんと会うのを反対されたの。｣








勝利｢なんで？｣









A｢分かんない。

佐藤勝利って人はクラスにいるかって聞かれたから、いるよって言ったら…。

そう。って素っ気なく返されちゃった。｣









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勝利｢そっか…。

何でだろうね。｣









A｢うん。

あ、後ね前の名字も教えてくれないの。｣









勝利｢前の名字？｣









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君は頷き僕を見る。








A｢だから死んだお母さん達の名字は知らないの。｣







君は悲しそうにそう呟いた。








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