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story7 ページ8

「起きてる?」


国「はい」


「ここで私と会ったことは言っちゃダメだよ」


国「何でですか?」


「国見くんが周りから変な目で見られちゃうからかなー」


国「別に気にしないんで」


「そっかぁ・・・」


穏やかな声色は変えずに少し困ったように笑っている


国「・・・」


「私は国見くんの大切な学校生活を邪魔したくないな」



ずるい。
先輩が何を恐れて会ったことを隠したがるのか、
もしも・・・会っていたことがバレたらどうなるのか、
見当もつかないほど馬鹿じゃない


それでも...



国「俺は楽しかったです。」



「え...」


国「先輩と話せた時間...楽しかったです」


「・・・」


国「基本的に俺は自分のことは他人に話すことないので安心してください」


「そう、よかった」



国「でも、俺はまた先輩と話したいって思います。」



俺がそう言うと、先輩は目を大きく開いて驚いた顔をして

すぐに目を細めて微笑んだ


「ありがとう。また、機会があればね」



そう言いながら手を振って中庭を去っていった



キーンコーンカーンコーン



国「(あぁ、寝るの忘れてた...)」



先輩と一緒の時間は寝るのも嫌になるくらい穏やかに過ぎた



寝れなかった悔しさよりも、不思議と満足感が勝っている



そう思いながら別棟から教室に向かう渡り廊下をだらだらと歩く



―また北村先輩がやってるらしいよ


―えー、また男狩り?(笑)


―及川さんじゃありませんように及川さんじゃありませんように...


―北村先輩っておじさんとも出来るらしいよ〜


―ありえなーい!きもw



下品な噂話が聞こえてくる。


いつもなら噂なんて興味もないから聞くこともない


だけど、この短時間で特殊能力が付いたのかと思うくらい


北村先輩の名前だけが聞こえてくる。くだらない下品な噂と一緒に。



国「(はぁ・・・さっさと教室戻ろう)」

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作者名:しぃ | 作成日時:2020年3月11日 2時

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