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story21 ページ22

何が起こったんだ


俺は先輩と2人でくだらない体育館のトイレの話なんかして


楽しい時間だったのに


ガタイの良い男に声をかけられた途端に先輩の目が変わった


いつもなら何もかも全てを見透かしたような目が


急に恐怖に支配されて怯えきった目をしていた



そして小柄な先輩が男に蹴られて俺の方に飛ばされた


兄「お前の顔見るだけで腹立ってきた」


そう呟いて先輩の方に向かってきた


国「逃げましょう」


「ダメ、国見くんだけ逃げて」


そういうと俺が掴んだはずの腕を振りほどいて俺の背中を押した


その瞬間振り向くと先輩は髪の毛をわしづかみにされていた


「は・・早く逃げて」


国「逃げません」


兄「あぁ!?てめぇも俺に喧嘩売ってんのか!?」


国「売ってません!離してください」


先輩の消え入りそうな声を聞いたとき


ここで俺が逃げたら本当に先輩はいなくなっちゃうんじゃないかと怖くなった

先輩の髪の毛を掴んでいた太い腕をひねる、

兄「い゛って」

そう言い掴んでいた手が緩んだ瞬間に先輩の腕を引き自分の腕の中に収める

ドスッ ドスッ

国「う゛っっ」

兄「邪魔してんじゃねぇ!」

ドンッ ドスッ

国「ぐっ」

「ひぃっ!や、だやめて!」

―フワッ

「この人には手出さないで!」

兄「こいつが勝手に出てきたんだろ!あっはははは!お前の泣き顔は醜すぎて面白いわ!」

「お願いします...やめて...ください」


警「ごっるらあああああ!警察だ!」

兄「っち・・」

警「逃げるんじゃない!止まりなさい!」

兄「これから一生逃げれると思うなよ」

「ごめんなさい...ごめんなさい」

そういって先輩のお兄さんは逃げていった


「国見くんごめんね...ごめんなさい、本当にごめんなさい」


震えて崩れ落ちていった先輩は俺に謝罪の言葉を言い続けた


先輩が俺の腕に収まってから確かに何度か衝撃を受けた

しかし・・・

  ―フワッ

  ―「この人には手出さないで!」



「ごめんなさい、ごめんなさい」

国「先輩・・・痛かったらすみません」

「え・・っ」


―ギュッ


国「謝らないでください。俺こそ守れなくて...何も知らなくてすみませんでした」

「なんで国見くんが・・」

国「先輩。」

「?」

国「俺の家に行きましょう」

「え・・・」

国「一時避難場所ということで」


先輩は何か言おうとしてたが


先輩がどこにも行かないように、もう傷つかないように


抱きしめる腕に力を込めた

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作者名:しぃ | 作成日時:2020年3月11日 2時

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