Share:77 君を忘れる旅 ページ38
.
賑やかな東京の街の真ん中で泣いたあの日
連絡先を消した3ヶ月後
彼の温もりも思い出せなくなった今
1年が経った今日も、また撮影
.
「あの、ここなんですけど_____」
監督「あー。そうだね。そうした方がナチュラルかも。Aちゃんいいね(笑)」
「ありがとうございます(笑)」
.
初の映画でヒロイン役を貰えて、必死に喰らいついてお芝居を楽しんでる
お芝居がこんなに楽しいって教えてくれたカズには本当に感謝してる
連絡は出来ないけど、今の私を見てくれているといいなと、どこかで願ってる
.
芹「A？」
「水買ってくる」
.
スタジオを出て、いつの日かと同じような道を辿る
眩しい陽が、差し込んでいた
.
「きーちゃん」
.
「……え？」
.
知っている香りが後からした
知っている声が後から聞こえた
聞き間違えるはずがない声
.
「…カズ？なんで…」
.
白衣を着た、カズだった
.
和「今、ドラマの撮影。お医者さんなの。俺。天才外科医よ？(笑)」
「すごいっ(笑)」
和「…きーちゃんは？」
「私は今映画の撮影。先生に恋してる女子校生(笑)」
和「女子高生キツくない？(笑)」
「ひどっ(笑)」
.
カズを見るのは久しぶりで変に緊張する
苦しい緊張じゃなくて、清々しい緊張
髪が伸びて、私の知ってるカズはもういない
.
和「きーちゃんが頑張ってるの、知ってるよ」
「ありがと」
和「…なんか、意外に普通に話せるもんだね(笑)」
「ね(笑)」
和「あ、今度 “虹” 聴いてよ」
「…なんで？」
和「意味が解釈できたら余計に前を向けるはずだから」
「…うん、分かった」
和「あ、呼ばれたわ。そろそろ行くね」
「あ、うん」
和「…じゃあ、ね。
「っ…じゃあ、ね。
.
きーちゃん、と言わなかったのはきっと彼なりの優しさだ
カズ、と言わなかったのは私なりの答え
.
カズと別れてから初めて虹を聴く
.
「…最後までずるいなぁ」
.
“君を忘れる旅” に私も出よう
見ていて。見守っていてくれるなら私は
きっと、どこまでも綿毛になって飛べるから
Fin
.
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←Share:76 サヨナラ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
相翔(プロフ) - ゆーふぉさん» ありがとうございます！思い入れのある作品だったので、嬉しいです。カムバック！潤くんと翔くんの掛け合いが可愛いですよね(∩´∀`∩)私も大好きです！ (2018年8月18日 15時) (
レス) id: fe54415b09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉ - 機会があれば、嵐トークしたいですね〜（＾ω＾）ちなみに小5です！ (2018年8月18日 14時) (レス) id: fe93b4e930 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉ - すごくドキドキしましたが、最後が、すごく悲しいですね、、(泣)私嵐好きで、最近は、アンタイトルのカムバックが好きです！ちなみに翔くん推しです！素晴らしい作品をありがとうございます！ヾ(＠⌒ー⌒＠)ノ (2018年8月18日 14時) (レス) id: fe93b4e930 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：相翔 | 作成日時：2018年7月3日 0時
