氷上に咲く花と僕。３

story.112 ページ33

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『俺、まだAのこと好きだから』


前に僕に向かって強気に宣言してきた草太くん。
それが諦めるって、



「どーゆーこと⁉」

「どーゆーことって、そーゆーこと？」



いやまあそうなんだろうけど！

Aと草太くんが仲直りしたのかと思ったら、いきなり諦める宣言してきて……

一体どういう風の吹きまわし…






「ひたすら一途に想い続けてれば報われるかなって思ってたけど無理だった。」



そう言う草太くんはどこか晴々とした顔つきで。





「ついさっきAと話してきっぱり諦めることにしたんだ」


潔い。

その言葉が今の草太くんにぴったりと当てはまるような気がした。


「そんだけ。しょーまくんも頑張ってね」


またまたサラリと言って、怪我をしていたとは思わせない足取りで歩いて行った。


きっと草太くんは勇気を出して関係を戻したはず。
僕よりも全然関係は悪くなっていたはずなのに。




横を見るとAがちょうど練習を終えてリンクを上がるところだった。

なぜか、今行かないと戻れないような気がして。



「大丈夫。謝るだけ。」



深呼吸をして自分に言い聞かせるように呟く。

……てかなんでこんなに緊張してんだ！



関係性を取り戻したい。
前みたいに、これからも接していきたい。
そのために必要なんだ。

ただそれだけだ。



「A」



久しぶりに見る顔は、前よりもさらに大人びていて、より一層緊張感が高まったような気がした。



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