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story.32 ページ33




全日本選手権。

日本のスケーターがみんな参加する大会。この大会での成績によって四大陸や世界選手権に出場する選手が決まる。


僕は初めてではないものの、やっぱりちょっと緊張してる。



「昌磨ー!」


ゆづくんだった。

ファイナルのバンケット以来だな。


「昌磨には負けないからな! お互いがんばろう」

こういうことサラッと言えちゃうところがかっこいいんだよなぁ。



「そうだ、これ。」


そう言って渡されたのは小さなラッピングされている箱。


「Aに渡しといてくれない?」
「分かった」


この中になにが入ってるんだろう……?








「今から試合じゃないの。」

A。

全日本は男子のほうが女子よりも一日ずつ早く日程がくまれている。そのこともあってAは会場に練習しに来ていたみたいだ。


「ゆづくんがこれ渡してって。」


さっき渡された箱を手渡す。
すると、覚えててくれたんだ、と小さな声で言った。


どういうこと?
何を覚えててくれたわけ?


訳が分からないと言うような顔を僕がしていたのか、

「私が来週の月曜誕生日だから。」


そうなんだ。
だからゆづくんは誕生日プレゼントを渡したんだ。来週の月曜ってことは……

「誕生日ってクリスマスイブ!?」

「そうだけど。」

クリスマスが誕生日ってなんかすごいな。


「でも今までまともに誕生日なんて祝われたことないし。」

ふっと笑いながら言った。




「誕生日を家族で祝ったりしないの?」


僕は何げなしにそう言ってしまった。

……だめだ、また。

Aの苦しくてつらそうな顔。




時々思うんだ。

僕とAの関係って何だろうって。

最近少しずつ少しずつ距離が縮まって近づいたと思ったのに。

また離れていく。




「試合前なのにそんな顔しないでよね。」


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美紀 - 羽生選手と宇野選手のファンなのでこの小説最高です更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2018年2月22日 20時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙耶 x他2人 | 作成日時:2016年3月21日 17時

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