氷上に咲く花と僕。 (ページ4)

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「でさ、その人あった瞬間に『小さいよね』だよ？ありえる！？」

僕はあの後休憩時間に、草太くんに愚痴を聞いてもらうために電話した。

草太くんはとても仲のいいスケーターで、練習も同じリンクでやったりしている。

「昌磨くん珍しく怒ってるね～。」

草太くん、笑い事じゃないんだってば。

なかなかこんなに頭にくることはないし、出会って1日目にして草太くんに愚痴を聞いてもらうなんて相当だ。

まあ、それだけじゃなくて三浦さんについて知ってるか聞きたかったってのもあるけど。

「その子スケートはどうなの？」

「それが悔しいことに超絶うまいんだよ！」

三浦さんには相当いらっときているが、スケートがうまいことは認めざるを得ない。

「へぇー、そーなんだ。」

さほど興味のなさそうな草太くん。

「三浦Aって言うんだけどさ～」

何気なく名前を言うと、草太くんからは何も返事が返ってこない。

しばらくたっても草太くんから声が聞こえなくて名前を呼んでみた。

「草太くん？」

「……ごめん、ぼーっとしてた。」

話はちゃんと聞いてほしい。

だけどそう言った声はさっきまでの明るい草太くんの声とは明らかに違った。

「その子本当に三浦A？三浦であってる？」

「うん、そうだけど……

草太くん、大丈夫？」

すると草太くんは一つため息をついて、

「ん、何でもない！ Wikipediaで調べてみれば出てくるんじゃない？来週からの合宿がんばろーね！じゃ！」

ただの勘違いだったみたい。
すぐに明るい草太くんに戻った。

「随分私のことを言ってくれたみたいね。」

後ろから声が降りかかる。

恐る恐る振り返ると、そこには出会ったばかりなのに僕をイラつかせてくる三浦さんが立っていた。

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