氷上に咲く花と僕。 (ページ27)

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「やっぱりそうだ！やけにAに似てると思ったんだよな。」

ん？
前にもこの光景見たことあるよーな。

………草太くんのときだ。

「A、羽生くんと知り合いなの!? どういう関係!?」

草太くんがぐいぐいつっこんでくる。
僕も知りたいから何ともいえないけど。

「うーん…？友達？」
「友達ってなんだよ。一緒に練習してただろ。」

「Aもっと早く僕に教えてくれたらよかったのにー！」

草太くん、ゆづくんへの愛が強いよ…………

「Aもファイナル出たの？」

「うん、銀メダルだったけど。」

「いや、すごいじゃん、日本人３人もファイナルメダリストだなんて。」

するとAは少し顔を赤らめた。

気のせいかもしれないけど、ゆづくんと話すAは何ていうんだろう、嬉しそうなような、楽しそうなような…… 僕には見せない顔をゆづくんには見せている。

一緒に練習してたから喋りやすいし久しぶりに会ったんだもんな。

そう思っているのにAとゆづくんから目が離れない。

何だかまた心がモヤモヤする。

「シニアのほうも見に来るの？
じゃあがんばらなきゃだなー！」

「Yuzuru！」

「あっ、ブライアンだ。もう行かなきゃ。
じゃあまた！次はバンケットかな？」

そう言うとコーチのほうへ颯爽と走っていってしまった。

ふとAのほうを見ると、ゆづくんの走っていった方を見つめていた。

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